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紡ぐ想い

天使が集う種族、天族
私達天族は珍しい種族で、これもまた珍しい治癒魔法が全員使用可能な種族
天族のユニーク魔法もほとんどが治癒魔法の応用のようなものが多かった
そんな天族は、世間的には滅んだことになっている
世界にはまだいるが、誰も認知されてないのだ_否、認知されないようにしてるのだ

天族に関する法律がこのツイステッドワンダーランドには存在する
「天族の密猟」を禁止することだ
珍しいものには根も葉もない噂がつくものだ、だから私達にもついた
天族の翼には治癒能力があるだのブロット対策になるだの幸運を運ぶだの言われている_全て嘘だが
それが本当ならそれこそ、このご時世天族は祭り上げられてるし本当に存在しない
けど、愚かな人は何かに縋りたがる、故に狙われたのだろう_私も

稀に見る癒しの魔法が全員使えるということもあり、翼に何らかの効果があると考えてしまったのだろう_たまたま外で遊んでいた私は連れ去られた
その人達は天族の密猟で生活金を稼ぐ人だった、自分で数多の同族を葬ったことを聞かされた
そして、私もその1人になる_と
殺されると思った、手は縛られ動けないし翼は出したくないし
目に映った刃物が私を捉えた

恐怖で頭が支配される

私は、その時


『終焉の時…全てを葬り終わりなき永久を与えよう……<終わりなき世界>』


時を止めて無我夢中で逃げ出した
どんどん蓄積されるのを感じつつも翼を羽ばたかせて大空を駆け抜けた
雨が頬を濡らす、家の近くまでの間に靴が脱げた

今でも覚えてる、あの時の時を止めた瞬間の苦しさ
あの時はあまり長い間止めてなかったから平気だったのかもしれない
だけど次は?
そう思うと怖くなった
だから、嘘をついた

「スーちゃん!?
羽、黒いよ……何かあったの!?」
「お姉ちゃん、靴がない……
ねぇ、どうしたの?
何かあったの!?」

心配してくれる家族、幼なじみに私は

「ううん……雨が降って遊んでた
一寸沢山魔法使って遊んでたから疲れちゃっただけ」

微笑んで嘘をついた

だって、原因が滅びの歌なんて…知って欲しくないもん
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