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140字/400字小説などのSS置き場。
ワンクッションなしに雑多CPが飛び出してきます。
ご注意ください。

記事一覧

  • 万事屋〈140字〉

    20201125(水)22:22
    パサパサになった食パンに齧り付く。それ、賞味期限切れてるやつじゃないですか、と新八。大丈夫だろ、カビ生えてねーか確認したし。もう一齧りする。豆パンの悲劇を忘れたんですかアンタは。歯型の付いた食パンを眺める。あ、耳のとこにカビ生えてる。新八を見る。哀れみの目を投げられた、気がした。
  • モブ視点の白夜叉〈140字〉

    20201124(火)20:29
    今まさに自分の魂を狩ろうとしている夜叉は、泥にまみれた青臭い子どもであった。血を浴びる夜叉の正体なんて知りたくもない、知りたくなかった。──はやく、ころせ。白夜叉は刀を大きく振り上げた。今にも泣き出しそうな青年ともう二度と会えない息子の面影が、死に際になって、どうしてか重なった。
  • 高杉と銀時/第七百三訓

    20201121(土)23:15
     ぽたり、ぽたり。頬にしみる。止まりかけの心臓では、前言撤回もできそうにない。聴覚だけが未だ微かに機能している。咽ぶ。喉奥で堪える音。潰れた双眼の裏側で、あの日の情景がぶり返す。ぽたぽた、ぽたり。そう、血ではなく、これは。見えないお前の泣き面はきっと、あの時と変わらず綺麗なんだろう。先に地獄で待ってらァ、と独り言ちる。溢れて止まない滴の生ぬるさも、もはやわからない。何が上等だ。シケた面、してんじゃねェか。
     さいごまで、詰めが甘ェよ。────銀時。
  • 仏銀〈140字〉

    20201120(金)22:49
    ──銀さんのことが好きだよ。銀さんは目をぎょっとさせて後ずさった。その腰を無理矢理掴んで、にっこりと微笑んでみせる。昔の僕と銀さんは犬猿の仲だった。それなのに、僕のほうが君に優しくできるのに、君は僕を威嚇してやまない。てめー、誰だよ。紅い目に睨まれる。返せ、アイツを、土方を返せ。