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2150年女神異聞

「帰って来たら手を洗うのよ!ちゃんと!」

台所に立ったメアリーが、夕飯の支度をしながらマイラに注意する。

「はあい」

「こらっ!流しで洗うんじゃないっ!!」

「だって洗面所遠いし…めんどい」

「汚いでしょうが!」

…自分よりもかなり大きな背の妹に、負けない迫力で見上げて睨み付ける姉…。

「マイラ…今刺激しない方が良いぜ。
触らぬアネキにたたり無し」

メアリーの横で、じゃがいもを剥いていた少年…
マイラの兄その1、サダル・パンドーラがにやりとして忠告した。

「どうゆう意味かしら。
………ソレ」
いつもの二割増し目の座った姉が、サダルをギロリと見上げたが、

「別にぃ~♪」

と、彼は…じゃがいもに目を移し、せっせとまた皮を剥き始めた。

「そっかぁ、まだ終わんないんだレポート…」

…と、マイラがにこにこしながら、今月一番の禁句を口走った。

「………うるさいわね」

メアリーのガン飛ばしがマイラを完全にロックオン…

「あ~あ、言うなよな…」

妹の天然加減に溜め息する兄だった…。
こうなると、半日位は八つ当たり攻撃を喰う…。
女って言うのは、どうしてもこうヒステリックなのか…とも思う。
メアリーは通信制の短大の2年生…。
今月は学校課題の原稿用紙数百枚と死闘を繰り広げていた。
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