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2150年女神異聞プロローグ

東京のとある街角……夕暮れの時間だった。
茜色に染まる静かな住宅街。
人通りもまばらな狭い路地をひとりの少女が歩いている。
セーラー服を着て鞄を提げていた。
近くの公立中学のものだ。
「こんにちわ、マイラちゃん」
店の前を掃除していたタバコ屋の主人が声をかける。
「こんにちわ、おじさん」
夕日できらきらとする長い銀の髪をふわりとさせ少女は振り返った。
「今帰りかい?部活大変だねぇ」
「もうすぐ大会のメンバー決めだから。じゃあね!」
さわやかな笑顔を残して去って行く少女。

「…………ホント可愛いコだよなァ」
後ろ姿を見送りながら呟く主人。
「モデルさんみたいよね。スラリとしてて大人っぽくて」
店の奥のおばさんが主人に話かける。
「俺もあと30年若ければなぁ……痛ててっ!」
「何がよアンタ!」
妻に耳をつねられた主人であった……。

るんるんと鼻歌交じりにご機嫌な様子で帰っていく少女。
そのあどけない行動とはチグハグに………美しかった。
腰まで伸びた銀髪には少しクセがあるらしく外側の髪がくるくるとしている。
風が吹く度にふわふわと光を放っていた。
中学生にしては長身の方である。
160センチ位だろうか。
腰の高さが高いので余計にそう感じられる。
身体は細めだが出る所はきちんと出ていてめりはりがある抜群のプロポーションだ。
スラリとした手足、抜ける様に白い肌……鼻は高いが彫りの深過ぎない顔立ち、そして光る睫毛の大きな赤い瞳……。
何処か現実離れした容姿の美少女だった。
例えば西洋の物語りから抜け出して来た妖精の様だろうか。

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