言ってもどうしょうも無い事…
言ってもどうしょうも無い事ですが…
生まれたトコロは暖かい陽のさす場所…。
十分に雨も降り、爽やかな風も吹いた。
望むものは与えられ生きる事を祝福された。
未来への道は目前に広がりこれからの全ての幸せを約束してくれているのだ。
満ちる喜びを噛み締め瞳を閉じる…。
すると誰が呼ぶ声がする。
お前は嘘吐き
偽善者
臆病者
人のふりをした畜生
総てを認めてしまえこれは警告だよ…
け・い・こ・く…?
目を開けば太陽はやはり微笑んでいる…。
この幸せは続くはずだ。
そうでしょ?
私の進むべき道には穏やかな風が今日も吹き抜けている…。
希望は目の前にある。
…不意に零れた涙…。
何だろう…
この気持ちは
…だから言ったでしょう?
風に紛れて声が聞こえた気がする…。
後ろを見ると歩いた筈の道が無い。
自分の世界なんて何処にも無かった…。
違う。
自己決定を放棄した甘い世界に輝くもの何て有りはしなかっただけ…。
たとえ不自由な荒野を駆けてでも行ってしまえば良かったのか?
いいや…この弱々しい命を傷つけられないのなら籠の鳥の方が良い…。
これで良かったんだよ…。
その筈なのに…
やっぱり涙が止まらないのは何故?