｢それ嫌味か？エマイユ｣
｢それいやみじゃん…エマ｣
そう言う二人に、
｢そうかのぉ…｣
エマイユと呼ばれた褐色の少女はお茶を味わいつつまったりと言い返した。
｢それにしても父さんの奴め！船を壊す気か…今週に入って4回目だぞこんな爆発…。｣薄金髪の少女は冷静ながらも怒りを込めた声でぼやいた…。
｢そうだよねティティ！いい加減腹立つよもぉ！｣ティティと呼ばれたその少女と鈴はぶつぶつと文句を言っている…。
エマイユは我関せず…お茶の味を褒めつつ味わい続けていた…。

その時
ギギギギィ…
今時余り無い超旧式の手動のハッチが軋しんで開いた。
誰が顔を出す。
｢ジルさんもう起きたの？｣鈴は心配そうに声を掛けた。
｢…………はょう……｣ジルと呼ばれたその人物は小声で挨拶をして非常にだるそうに出て来た。腰までの銀髪をラフに束ねている。一見女の子に間違えられる様な容姿の青年だ。
｢お前2時間しか寝てないだろ？｣
ティティにもそう声を掛けられたが

｢こんな状況で眠れる訳あるかい…｣と空ろな怒りの眼でとある場所へ歩いて行こうとする。
｢まぁまぁ抑えて抑えてジルさん！ティマだって悪気がある訳では無いよ｣必死にジルをなだめる鈴。
｢悪気以外の何者でも無いだろうが！…今日こそトドメを刺してやる…｣ジルの目は恐ろしく座っていた。