このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

千弥町物語



…事情を話すとライラは

「…やっぱりそうなんだ」

と頷く。

「この街に降り注ぐ星はね、遠い世界からの贈り物なんだよ…だけど、飛んで来る間に少し落とし物をしてしまうんだってさ。」

…何だか不思議な話だが、妙に納得して聞いてしまう。

「落とし物?」

「うん。ページの抜けた本とか、欠けたガラス細工が落ちて来た事もあるって…これに書いてあったけかな…」

ライラは部屋の片隅の本棚から、ノートを取り出して来て見せてくれた。
それはスクラップブックになっていて、古い新聞記事が沢山貼られていた。

星の記事も気になるが、ふと新聞の名前に目がいく。

『千弥町新聞』

とあった。

「千弥町…」

「うん。此所は千弥町って言うんだよ…何処まで行ってもずっーと千弥町!」

「えっ?」

言われている意味を把握するのには時間がかかったが…

此所は正しく…
ちょっと不思議なくにだった。
こうして、私とライラの日々が始まったのである。

5/13ページ
スキ