不可思議日和
人形達と天使は行進する…
鼻歌混じりに、スキップして♪
どこまでも…どこまでも!
一体何処へ行くのやら…
一行は楽しそうに散歩している風にも見えたが…
実は、何かを探していた様子だった。
商店街のあちこちの店に入って、店員に話し掛けるトガ。
「すいませーん♪
『お仕事』
って何処でやってますか?」
混んでいる天丼屋
「はぁ?…今、仕事中だよ!」
総菜屋のおばちゃん
「忙しいんだから、冷やかしなら帰ってちょーだいな!」
駄菓子屋のお婆ちゃん
「おや…まあ!あらまぁ!…まあ?」
…風変わりな一行とトガのよく分からない質問に、あちこちの店員は困惑したり…笑ったり。
しかして…トガの言わんとしたい事を理解したり、長い時間話しを聞いてくれる者は居なかった。
皆、営業中で忙しかったから…
「与音子…『お仕事』してるって言ったのに…何処に居るんだろう」
何となく、『仕事』と言うものを勘違いして認識していそうなトガ…
天から墜ちてきた謎の天使に、常識何てものが無いのも…当然なのかもしれないが…。
「あーあ…見つからない。トガも『お仕事』やってみたかったのにな…」
溜め息をつきながら…トガとフィギュアの一行は、公園のベンチに座り込んで休んでいた。
「だんぷとらっく!がががが♪」
「トンネルほりま~す!ざざざ…」
そんな…トガ達の目の前で、子供達が砂遊びに夢中になっている。
トガはその光景をしばらく不思議そうに眺めていたが…
「ねえ?…君達何をしているの?」
不思議そうな顔で、子供達をのぞき込んだ。