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不可思議日和

やはりいわゆるラッキーな奴なのかしら私って…


「…んっーなんか眠くなって来たなぁ…」

トガは伸びをして転がった…。
相変わらずスラリとした、細長く曲がった所の無い形の良過ぎる手足に…やはり細過ぎる位華奢な体。
与音子の子供の時代のお古…白いノースリーブのワンピースを着ているが、丈は若干短めらしくミニスカートの様になっていた…。
服の背中は、生えている巨大な翼の為に仕方なくハサミで切り開いたトガ仕様だ…。
左翼は羽が抜け代わり焦げた所は無くなっていたが、失われたと思われる半分以上の部分は再生する様子が無い…。
(このまま飛べないままで、天に帰れなくても…良いんだけどな)
…と、天使の青銀髪の美しい長髪をいじりながら与音子は密かに祈っていた…。

「与音子…そろそろお仕事の時間でしょ?」

トガが転がったまま、窓から空を仰ぎながら呟く…。

「うぉっと!…いけねぇ!」

今日も癒され過ぎてのんびりペースになってしまった…。
慌てて身支度を整えてドタバタ飛び出して行く。

「行ってきまぁす!」

…チャリを必死に飛ばして行く与音子を

「行ってらっしゃーい!」

と元気に手を振って窓から見送るトガ。

…さて、一人部屋に残されたトガはしばらくボッーとしたり、また伸びをしたりしていたが…

「なぁんか…退屈…」

と頬杖をついた。
その目線の先には…いつもの人形達がずらりと並んでいる。

「…そうだ!」

トガは悪戯っぽい笑みを浮かべ立ち上がった。

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