不可思議日和
……天使のいる日常
私の世界が美しいとか素敵だとか…
なんて思った事は余りなかったケド…
…今は少しだけ幸せで…
今日もよく晴れて、真夏の日差しが容赦無く…あちこちを焼いていた。
「あづいーーーー」
余りにも蒸し蒸しとする四畳半で与音子がくたばっていたのは言うまでも無い…。
「これ…やっぱりおいしい!」
そんな彼女の隣りで無邪気な天使トガがソーダアイスをほおばっていた。
「…そう?良かった…」
トガの可愛らしい微笑みには癒される…
たとえ日々のアイス代が時給の1/3を占めていても…
トガが笑っていてくれたらそれだけで満足さ…。
トガが家に来てから早数日…最初はサプライズに戸惑うばかりだったが、意外と心配する程の事でも無く…天使のいる日常は平穏極まりなかった…。
「おかわりっ!」
トガは藍色の瞳をきらきらさせ、嬉しそうにアイスの棒を振ってそう言ったが…
「…わりぃ、また明日ね」
切ない表情で与音子は財布を覗いていた…。
いつかは、そんな氷菓やラクトアイスばかりでは無く、本物のアイスクリームを食べさせてあげたいなぁ…と与音子は感じていた。
その為にも仕事頑張らにゃあ…。
「なぁんだ…残念だなぁ」
と溜息を吐いているトガもやっぱり可愛い!
ワシの日々の生活に足りなかったのはやはりこの……萌!
げふん!
じゃなくて癒しだ!
(萌とか考えちゃ駄目だ…駄目だ…駄目だ!)
…と与音子はよく分からない感情を頭の底に押しころしつつもハンスウしていた…。