不可思議日和
……その天使は……
この出会いの意味する所は…
はっきりいって不明…
おとぎ話が…現実に滲み出して来た様な…
…多分在ってはいけない事
「えっと…あの…その…あなたは、空から降って来て…」
…どう話したら良いのか分からない…。
「ふぅん…そうなんだ」
天使は慌てふためく彼女の説明を静かに聞いていた。
「それで…あなたは一体何者…」
彼女は天使に聞いた。
「僕は…ええと……あれっ?……分からない…」
腕を組んで天使は思い出そうと唸っていた。
「まさか…記憶喪失…。」
彼女がそう尋ねると天使は小さく頷いた。
「だけど…誰かに呼ばれた気がした…」
天使がそう呟くのを聞いて…
マサカなぁ…ワシが変なお願い星にしたからか?
彼女は一瞬そう思ったが…考えるのをやめた。
「あのう…名前は…覚えてる?」
「……名前」
天使は考え込んでいたが急に閃いた様に顔を上げた。
「あっ……分からないケド……ひとつだけ……トガ…って言葉…僕思い出したよ!…どうしても気に掛かる言葉…意味はわからないけど…」
トガ…とが…咎
「それって…」
返す言葉の無い彼女。
「…トガ…トガでいいよ…きっと僕はトガだ」
「えっ!?…だけど…」
「君の名は?」
「ワっ私は、与音子…裏原与音子」
「与音子かぁ…よろしくネ…」
天使はあどけない顔をで微笑む。
…眠っていた時は作り物の様な美しさだったその顔は今は血が通い…大変可愛らしかった。
「…………あっ…よっよろしく…」
思わず見とれてしまう。
とてもギャップを感じたが、…綺麗な人である事は間違い無い。
深い藍色の丸い瞳が優しくこちらを見つめ返す…。
「ほぉ……………」
そのまましばらく、見とれて見つめ合ってしまった…。