不可思議日和
…やっぱり夢じゃない
その日…舞い降りたのは…
間違い無く
…ひとつの奇跡…
だったのだろうけど…
余りにも唐突過ぎて戸惑うだけだった…。
…彼女の汚い四畳半に朝日が差し込む。
先ほど転がり落ちたフィギア達は再び整頓されていて棚の上で微笑んでいた。
足下は相変わらずごちゃごちゃとして色々な物が雑然とあったが、一か所だけは言うまでも無くいつもと違う…。
「うぅん………。」
適当に雑魚寝していた彼女が目を覚ました。
…どうか昨夕の事が夢であります様に…
そう思いながら脇に目をやるが…
「………やっぱり…居るし……」
掃き溜めに鶴とは正にこの事だろう…
昨夕の天使(?)は彼女の隣りで相変わらず寝息を立てていた。
糸の出たオンボロい毛布を上から掛けられて安らかに眠っている。
朝日に青銀髪の髪が反射してキラキラしていた。
全身に光る長い髪をまとって…やはり、この世の物では無いかの様な美しさ…。
「はぁ……………」
…しかし、天使を見た彼女から出る溜め息は…不安以外の何者でもない…。
「…どうしろって言うんだ…だから」
…すると、遂に…
「……あっ…ここは……」
天使が目を覚まし、こちらを向いた。