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りっぷの伝説


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「争いを止めなさい!私は隣りの国の王子です」

白馬に乗ったその人は金髪碧眼の絵に描いた様な王子様でした。
一同あっけに取られ、兵士と小人はその人にひざまずきます。
姫?もとい怪物リップも

「ほぉぉぉ!」

と言って見とれて動きを止めました。

「王子様!どうしてこの様な危険な所に…」

不安顔で尋ねる兵士達に

「隣国の危機を放って置く事は出来ません」

と爽やかな笑顔で王子は答えました。

王子は

「リップよ…争いは何も生まない!そなたはそなたの世界に帰っては頂けないか?」

と大変紳士的にリップに言います。

「わらわは…わらわはそのう…好きじゃ!おぬし気に入ったぞよ!」

リップは少し興奮気味にそう答えました。

「それはありがとう…」

と紳士的に微笑み返す素敵な王子様…。

「決めたぞ!だから帰らぬ!おぬしと結婚するっ!」

一同唖然…

「何を言うか化け物が!」

思わず兵士の一人が叫びました。

「恋する乙女に向かって何じゃぁとぉ?馬に蹴られてしまえぃ!」

リップがそう言った瞬間!

ヒヒヒヒィィィン!

王子の白馬がその兵士を蹴り上げて遥か彼方まで飛ばしてしまいました!

「わっ」

その衝撃で王子は落馬!

宙を舞いリップの腕の中に落ちます!

「わらわと一緒にぃ新しい世界を作るっ♪のぢゃぁぁ!」

王子を抱えてご機嫌に去って行くリップ…。

「待てぇ!」

追いかけようとする兵士達を小人は必死で止めます。

「死ぬ気ですか!あの方は尊い犠牲だと思って諦めて下さい!」

しかし、兵士達は追いかけて行き二度と戻りませんでした…。
そして王子やリップにも二度と会う事はありませんでした。
…いったい何だったのでしょうか。
一人残された小人の周りは
今は信じられないほど静まり返っています。


そして悪夢は去った?…

…でしょうか?
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