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最強女神異聞

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煌々と緑の月が赤い砂漠を照らしている…。
ビュービューと吹き抜ける風が赤い砂を巻き上げ続けていた…。
その砂に紛れて聞こえて来る悲鳴!…

「逃げろ!…未…璃…行きな…さい」

巨大な黒い怪物どもの影が一か所に群がる。
血の臭いが広がっていた。

「パパぁ!ママぁ!」

幼い俺は為す統べなく親を呼び続けた。

…ズザザザザ…

地面が盛り上がり、辺りに空気を震わすうなり声が響く!
…血の臭いに誘われて
怪物…
サンドワームの群がさらに押し寄せて来ている!

「……やっ。」

逃げ場を失いうずくまるしかなかった俺…。
空が黒い塊に覆われ光が消えていく…。
死が近づきつつあった…その時!!

…ギシャァァア!……

激しく張り裂ける音とともに闇の一部が崩れ去り空から何かが落ちて来た!
…巨大な虫の頭と…人間?…。

…グシャァァ…。

その人は虫の頭を踏み潰して立っていた。
月明りにきらめきなびく長い髪…。
すらりとしたシルエットが浮かび上がる…。
若い女の人だ…15,6位だった…。
俺は半泣きになりながらもその光景を見つめてた…。
美しい…
この人はきっと神様のよこしてくれた女神様だ。

「子供?…こんな所に。大丈夫?」

振り返り…話しかけてきたその人は意外な程とても優しそうだった。

「パパとママがぁ!」

我に返った俺は親を探して群れに飛び込もうとした!

「もう…死んでる…」

そう言って俺を冷静に制止する彼女に逆らい、

「放して!行かせて!」

俺は暴れた。

パシン!
…聞き分けのない俺にビンタが炸裂する!

「自分が生き残る事を考えろ!
此所で虫の餌になる気か!
しゃんとしろ!!」

…ハッとさせられた…。

「つかまって!」

幼い俺は彼女の背中におぶさった。
二人で闇を掻き分け突き進む!!
その人は虫の頭よりも高く飛び上がり!

それはそれは華麗な脚技で虫どもをばったばった倒していった!
…全てが終わり朝日に照らし出されたその人の美しさと言ったら…

やはり女神様以外に例え様が無かった…。

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