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2150年女神異聞

カチッ……
メアリーが足下の踏み台のスイッチを苛々と蹴りつけた。
彼女にとってこのキッチンカウンターは高過ぎる。
姉の作業がしやすい様にと、サダルの弟ジキルが作った自走式の踏み台だった。
それはいつも通り作動音を立てて、彼女を乗せて横に移動した。

「全く!こうやって家事も両立するのがどれだけ大変か分かってるの?」

なんだか兼業主婦の様な事をぶつぶつ言いながら…メアリーは鍋をかき混ぜている。

彼女はマイラと同じ、銀髪に真っ赤な瞳…。
髪をショートボブにしているが、癖が強いらしくかなり膨らんでいるので短いおかっぱにも見えた。
そして、その姿は小柄なだけではなく…幼かった。
背は120センチ弱、子供らしい丸顔に小さい上向きの鼻。
大きな目が愛らしい。
体型的にもどう見ても、可愛らしい7、8歳の少女である。

「そう言われても、アネキじゃ、ままごとみたいだぜ…」

苦笑いする弟サダル…。

「あんたこそ…万年半ズボンが似合うわよ。」

ムスッとして姉は言い返した。

「いーじゃんか、子供料金でごまかせるぜ♪」

…そんな不届きな事を平気で言うサダルも年相応の見た目では無い。
背は150センチ程度…細身の体。
見た目11、2歳の少年である。
実年齢は18歳。
珍しい、藍色のショートヘヤーにオレンジの瞳…。
目鼻立ちの整った顔をしていて、特に丸い瞳が不思議な色気を醸し出している…。
彼の性格から来るものなのだろうか…。
どこか大人びた少年に見えた。

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