「うらっ！！」
未璃が目を取られたスキを突いてチンピラどもは集団で飛び掛かった！
「ぎゃあっ！放せ！」
羽交締めにされた未璃はじたばたしたが、大柄な大人の力には悲しい事に適わない…。
思わぬ大ピンチに子分達も息を呑んだ…。
「うっ…畜生…」
腕を締め上げられて未璃は苦しそうな声を上げている。このままでは袋叩き確実だ…。

「それにしても…兄貴ぃ！この女マジで上玉っすねぇ」
女にナイフを突き付けたチンピラはニヤニヤしながらそう言い、美女にイヤらしく顔を近付けた。
「……………。」
…女は微動だにせず、相変わらず凛とした綺麗な顔で、奴らや未璃を冷静に見つめ返す…。
「そいつは関係ねぇ！…放してやれ！卑怯者！」
未璃は必死にそう叫んだ。
「はっ？あんだとぉ？…こぉのクソガキが…」
不敵にニヤリとしながらもキレているチンピラは、羽交締めの未璃をサンドバックにでもするかの如く…構えて拳を握る。
「仕返しはたっぷりしてやるぞ…」
その言葉に未璃の表情が更に険しくなる…。


緊迫しきったフレイムの大通りの一角。
緊張の糸を切ったのは意外な人物だった。