お花見爆弾魔
封筒の中身は、犯行予告だった。
差出人は、御影達の非番を奪った自称『爆弾屋』。
上野公園を始め、『都内の桜の名所』と言われる各所で爆弾騒ぎを起こしている犯人である。
爆発に驚き慄く客達をあざ笑い、楽しんでいるらしい。
隊員室に戻った彼らを待っていたのは、他の四隊から届いた犯行文のコピーと、報告書のデータ群。
…そして、課長の渋い顔と資料の束。
「面白そうだから、討伐軍に加担したとも書いてある。奴は自分の尻尾で、今度は警察官を釣り始めたのか」
「そのようですね」
正之助が準備していたお陰で、対策会議はすぐに始められた。
メンテナンスの終わったシステムから大型モニターを引っ張ってきて、高井が纏まったばかりの情報を映しながら説明をしている。
それを聞きながら、野原は自分のデスクで難しそうに腕組みをしていた。
本来は説明しなければならない立場だが、とある資料を調べている為にシッカリ者の副隊長へ任せたのだ。
犯人は都内に五つある特警隊全てに、封筒を送りつけていた。
それの確認もある。
「夢の森(ウチ)以外に届いたのは、第一から八王子までの四隊だけですね。本部を含め、他の関連各課には全くです」
「犯人は、我々特警隊に『相手して欲しい』みたいだな」
「但し、写真が同封されていたのはウチだけ…と」
「他の隊は全て、挑発文だけです。課長が、他の隊長達に確認取ってくれました」
「隊長、微妙に文言が違っているのが一通ありますね」
「第二へ送られた物だ。ここの始動日にあった城南海浜公園での出動事案と、関わりがあるらしい」
「始動日に事件なんて。大変だよね」
「オレらは次の日だったけど、中々大変だったからなぁ…」
「ちょっと可哀想ね」
壁に備え付けられたホワイトボードに貼ったのは、桜の木の写真と四枚のコピー。
高井がボードをコンコンと叩いて、説明を続ける。
「実に腹立たしい内容ですが、これで犯人が件(くだん)の《爆弾屋》だと断定出来ました」
「そして。次の犯行現場も、ある程度はエリアが絞れた」
「範囲は広いですけどね」
「爆弾魔か」
「手段は、単なる爆竹や花火から小型爆弾までと多様…だって。危ない奴だね」
勇磨と雛は手元の資料に目を通し、やり難そうだと感想を漏らした。
やはり今回も、ロクな相手ではない。
「何だって、ターゲットがよりによって夢の森なのよ!他にお花見スポットなんて、沢山あるじゃない」
御影は苛立ちを隠さない。
勇磨も大きく頷く。
「大体、お花見を妨害する自体が間違ってるわ!見付けたら、ガッツリ灸を据えてやるんだから」
「御影。気持ちは解るけど」
「その通り」
親友と相棒に宥められ、仕方なく握り拳は解かれた。
「課長。我々はどうしますか?」
「うむ」
野原は、隣に立っている正之助へ伺いを立てる。
大長は皆を待っている間に、初動の一手を打っていた。
「本部長(こうさかさん)と刑事部の捜査本部には一報入れてあるから、写真と予告文一式をスキャンしてデータ送信しよう」
「解かりました。葉月、共有データ作成準備。高井は葉月のアシストを頼む」
「はい!」
「了解です」
野原は見ていた資料をトントンと纏め、正之助へ渡した。
資料室で保存する為のファイルへ閉じられる様子を、ムッとした顔で見ている。
「アイツの所で取り逃がした片割れって線は、間違いないですね」
「正確には、『勝手に張り合っていた機動隊が逃がした』なんだから。怒っちゃダメだよ」
「しかし…」
「捕り物の後から、長自らこんなに資料捜査してたんだ。全ての報告をウチへ送ってきたのも、責任感じて心配してる証じゃないか」
何かを言い返そうとした野原と、不安げに見つめていた雛の目が合う。
言葉が詰まった。
「孫達に、不必要な不安を抱かせちゃいかん。君は隊長なんだから」
「ですが。アイツの事は…」
「心配なのは解ってるよ。向こうも大変だからね」
「そうではなくて」
野原の代わりに正之助が「大丈夫だ」という優しい視線を送って、雛を安心させる。
次に送ったウインクは、意味が分からなかったようだが。
「他の隊と本部は、有事の際の応援として既に待機中だ」
「流石ですね。何とも心強い」
「末っ子の隊が『開設記念に挑発された』なんて、他の連中も放っておけないだろうよ。特に第二は、ウチの初期支援隊だし」
「第三と第四の時は、おとなしかったんですけどね」
「何かあったら、すぐ飛んできてくれるらしい。捜査データも、イの一番で送ってくれた位だし」
「また…。『心配し過ぎるな』と伝えておいて下さい。課長が言えば、向こうも少しは言う事を利く筈です」
「そうかな?気にしてるなら、野原君が直接連絡取ると良いよ」
「…怒鳴ってしまいそうで。アイツを傷付けたくありません」
大田区の埋立地にある第二特警隊は、始動日に『開設祝い』と称して犯行予告が届いた事があった。
犯人は、今回と手口が酷似した爆弾魔。
二人組の犯行だったが、特警隊設立反対派からの派遣組が一番多い第二隊突入班は、軋轢により足並み揃わず…
結果、片方に逃走されてしまう。
記録には残っていないが、現場では反対派の機動隊による任務妨害と挑発もあった。
第二隊内の調和は後に改善されたが、この失態は今も悔いているようだ。
今回の事件では、所有する事件資料を真っ先にデータ化し、本部よりも早く第五隊へ送ってきた。
第二隊長の悔いと、第五隊への心配。
込められた強い思いを、野原もシッカリと受け取っている。
愚痴しか出て来ないのは、素直じゃない為。
葉月と高井がデータを送信し終えた。
手際の速さに正之助は感心しながら、モニターに表示されている進捗状況を確認する。
「ところで葉月巡査。現場の特定は進んだかな?」
「はい、かなり絞れました。こっちのモニターを御覧下さい」
ホワイトボードの上、壁に設置されているモニターに画像が現れた。
葉月が手元のタブレット端末を操作し、見慣れたマップを映し出す。
それに赤い帯が加わり、画像は二分された。
「犯人が指定した、夢の森埋立地一帯の俯瞰図です。この中で、写真のように『桜の木が密集している場所』を選定したところ──」
「河川敷か」
「はい。埋立地同士を結ぶ、二つの連絡橋の河川敷にある並木道です。夢の森でこの二箇所以外に、桜があんなに密集した場所はありません」
「そっか。後は普通の防風林と、工業用のグリーンベルトだもんね」
「公園はこんな並び方じゃないわ。植樹工事が遅かったから、今年はそんなに咲いてなかったらしいのよ」
「そうなんです。幾ら人工林がメインの埋立地とは言え、この時期は密集していれば嫌でも目立ちますからね」
彼らは、テロ警戒地域の他にも管轄内の至る所で巡回警邏を行っている為、想像が容易に付く。
…マップを覚えられたのは最近になって、ようやくだが。
「…んで、どっちかは特定出来たのか?」
「残念ながら、そこまでは。桜の木の種類は、河川敷の物と同じみたいなのですが」
「そうか。それなら、各並木道の『地当たり』しかないな」
「区の開発局と河川管理事務所に連絡して、写真を見てもらいましょう。後は刑事課と特車にも応援要請、ですね」
「爆処が直ぐに来てくれれば良いが、今日は市谷からだもんな…」
写真には、花満開の木以外に場所を特定出来そうな物が一切写っていない。
それを撮影したと思しき、犯人の特徴すら。
ここで手ががりが尽きた以上、後は地道に捜査していくしかない。
しかも、爆発がいつ行われるかも分からないので大変だ。
あっという間に、時刻は午後三時を指した。
この時間、いつもなら一日に何度目かのおやつタイムなのだが…
「何処にある木がいつ爆発するか分からない以上、安全に且つ迅速に発見する事が鍵だ」
「はい」
「平日だが、昼間から花見に来ている一般人もいるだろう。一層の慎重さも必要だな」
緊迫した空気が流れ、誰一人としてお茶を気にする者は居なかった。
他の課や部隊への応援要請は、正之助が手早く済ませている。
「爆処が出動した。急いで向かってくれるそうだが、時間はかかるな」
「台場観光の車が多くて、連日混んでますからね」
「捜査本部からも、何人か向かっている。これより刑事課も含め、人員を二手に分けて木の捜索に当たってくれ」
「了解しました。それじゃ…」
野原は一同を見回した。
隊員達が一斉に椅子から立ち上がる。
「ユニット1は第一夢の森橋、ユニット2は第二をそれぞれ当たる。装備は防護重視」
「了解っ」
「葉月は有明の開発局へ行って、事情聴取。捜査員も同行させろ」
「分かりました」
「俺は並木道が長い方に同行するか。…ユニット1だな」
「隊長も一緒だ。良かったぁ」
「やっぱり、まだオレだけじゃ安心出来ないか…。出来る訳無いよなぁ」
「ち、違うよ勇磨!?」
勇磨が肩を落とす。
雛は手をブンブン振り、慌てて否定した。
新たな相棒を守りたいが故の、安心なのだ。
隊の方針、『隊員も対象も人命優先(いのちだいじに)』が一番身に付いているのは彼女かも知れない。
野原は傍らでのやり取りを聞きながら、この二人は組ませて間違いではなかったと思った。
問題なしと、管制システムへエントリープランを登録していく。
「では、私はここで統括指揮を執ろう」
「お願いします」
「全員、準備出来次第急行するぞ。以上!」
綺麗に揃った敬礼の後、各自は隊員室を飛び出した。
差出人は、御影達の非番を奪った自称『爆弾屋』。
上野公園を始め、『都内の桜の名所』と言われる各所で爆弾騒ぎを起こしている犯人である。
爆発に驚き慄く客達をあざ笑い、楽しんでいるらしい。
隊員室に戻った彼らを待っていたのは、他の四隊から届いた犯行文のコピーと、報告書のデータ群。
…そして、課長の渋い顔と資料の束。
「面白そうだから、討伐軍に加担したとも書いてある。奴は自分の尻尾で、今度は警察官を釣り始めたのか」
「そのようですね」
正之助が準備していたお陰で、対策会議はすぐに始められた。
メンテナンスの終わったシステムから大型モニターを引っ張ってきて、高井が纏まったばかりの情報を映しながら説明をしている。
それを聞きながら、野原は自分のデスクで難しそうに腕組みをしていた。
本来は説明しなければならない立場だが、とある資料を調べている為にシッカリ者の副隊長へ任せたのだ。
犯人は都内に五つある特警隊全てに、封筒を送りつけていた。
それの確認もある。
「夢の森(ウチ)以外に届いたのは、第一から八王子までの四隊だけですね。本部を含め、他の関連各課には全くです」
「犯人は、我々特警隊に『相手して欲しい』みたいだな」
「但し、写真が同封されていたのはウチだけ…と」
「他の隊は全て、挑発文だけです。課長が、他の隊長達に確認取ってくれました」
「隊長、微妙に文言が違っているのが一通ありますね」
「第二へ送られた物だ。ここの始動日にあった城南海浜公園での出動事案と、関わりがあるらしい」
「始動日に事件なんて。大変だよね」
「オレらは次の日だったけど、中々大変だったからなぁ…」
「ちょっと可哀想ね」
壁に備え付けられたホワイトボードに貼ったのは、桜の木の写真と四枚のコピー。
高井がボードをコンコンと叩いて、説明を続ける。
「実に腹立たしい内容ですが、これで犯人が件(くだん)の《爆弾屋》だと断定出来ました」
「そして。次の犯行現場も、ある程度はエリアが絞れた」
「範囲は広いですけどね」
「爆弾魔か」
「手段は、単なる爆竹や花火から小型爆弾までと多様…だって。危ない奴だね」
勇磨と雛は手元の資料に目を通し、やり難そうだと感想を漏らした。
やはり今回も、ロクな相手ではない。
「何だって、ターゲットがよりによって夢の森なのよ!他にお花見スポットなんて、沢山あるじゃない」
御影は苛立ちを隠さない。
勇磨も大きく頷く。
「大体、お花見を妨害する自体が間違ってるわ!見付けたら、ガッツリ灸を据えてやるんだから」
「御影。気持ちは解るけど」
「その通り」
親友と相棒に宥められ、仕方なく握り拳は解かれた。
「課長。我々はどうしますか?」
「うむ」
野原は、隣に立っている正之助へ伺いを立てる。
大長は皆を待っている間に、初動の一手を打っていた。
「本部長(こうさかさん)と刑事部の捜査本部には一報入れてあるから、写真と予告文一式をスキャンしてデータ送信しよう」
「解かりました。葉月、共有データ作成準備。高井は葉月のアシストを頼む」
「はい!」
「了解です」
野原は見ていた資料をトントンと纏め、正之助へ渡した。
資料室で保存する為のファイルへ閉じられる様子を、ムッとした顔で見ている。
「アイツの所で取り逃がした片割れって線は、間違いないですね」
「正確には、『勝手に張り合っていた機動隊が逃がした』なんだから。怒っちゃダメだよ」
「しかし…」
「捕り物の後から、長自らこんなに資料捜査してたんだ。全ての報告をウチへ送ってきたのも、責任感じて心配してる証じゃないか」
何かを言い返そうとした野原と、不安げに見つめていた雛の目が合う。
言葉が詰まった。
「孫達に、不必要な不安を抱かせちゃいかん。君は隊長なんだから」
「ですが。アイツの事は…」
「心配なのは解ってるよ。向こうも大変だからね」
「そうではなくて」
野原の代わりに正之助が「大丈夫だ」という優しい視線を送って、雛を安心させる。
次に送ったウインクは、意味が分からなかったようだが。
「他の隊と本部は、有事の際の応援として既に待機中だ」
「流石ですね。何とも心強い」
「末っ子の隊が『開設記念に挑発された』なんて、他の連中も放っておけないだろうよ。特に第二は、ウチの初期支援隊だし」
「第三と第四の時は、おとなしかったんですけどね」
「何かあったら、すぐ飛んできてくれるらしい。捜査データも、イの一番で送ってくれた位だし」
「また…。『心配し過ぎるな』と伝えておいて下さい。課長が言えば、向こうも少しは言う事を利く筈です」
「そうかな?気にしてるなら、野原君が直接連絡取ると良いよ」
「…怒鳴ってしまいそうで。アイツを傷付けたくありません」
大田区の埋立地にある第二特警隊は、始動日に『開設祝い』と称して犯行予告が届いた事があった。
犯人は、今回と手口が酷似した爆弾魔。
二人組の犯行だったが、特警隊設立反対派からの派遣組が一番多い第二隊突入班は、軋轢により足並み揃わず…
結果、片方に逃走されてしまう。
記録には残っていないが、現場では反対派の機動隊による任務妨害と挑発もあった。
第二隊内の調和は後に改善されたが、この失態は今も悔いているようだ。
今回の事件では、所有する事件資料を真っ先にデータ化し、本部よりも早く第五隊へ送ってきた。
第二隊長の悔いと、第五隊への心配。
込められた強い思いを、野原もシッカリと受け取っている。
愚痴しか出て来ないのは、素直じゃない為。
葉月と高井がデータを送信し終えた。
手際の速さに正之助は感心しながら、モニターに表示されている進捗状況を確認する。
「ところで葉月巡査。現場の特定は進んだかな?」
「はい、かなり絞れました。こっちのモニターを御覧下さい」
ホワイトボードの上、壁に設置されているモニターに画像が現れた。
葉月が手元のタブレット端末を操作し、見慣れたマップを映し出す。
それに赤い帯が加わり、画像は二分された。
「犯人が指定した、夢の森埋立地一帯の俯瞰図です。この中で、写真のように『桜の木が密集している場所』を選定したところ──」
「河川敷か」
「はい。埋立地同士を結ぶ、二つの連絡橋の河川敷にある並木道です。夢の森でこの二箇所以外に、桜があんなに密集した場所はありません」
「そっか。後は普通の防風林と、工業用のグリーンベルトだもんね」
「公園はこんな並び方じゃないわ。植樹工事が遅かったから、今年はそんなに咲いてなかったらしいのよ」
「そうなんです。幾ら人工林がメインの埋立地とは言え、この時期は密集していれば嫌でも目立ちますからね」
彼らは、テロ警戒地域の他にも管轄内の至る所で巡回警邏を行っている為、想像が容易に付く。
…マップを覚えられたのは最近になって、ようやくだが。
「…んで、どっちかは特定出来たのか?」
「残念ながら、そこまでは。桜の木の種類は、河川敷の物と同じみたいなのですが」
「そうか。それなら、各並木道の『地当たり』しかないな」
「区の開発局と河川管理事務所に連絡して、写真を見てもらいましょう。後は刑事課と特車にも応援要請、ですね」
「爆処が直ぐに来てくれれば良いが、今日は市谷からだもんな…」
写真には、花満開の木以外に場所を特定出来そうな物が一切写っていない。
それを撮影したと思しき、犯人の特徴すら。
ここで手ががりが尽きた以上、後は地道に捜査していくしかない。
しかも、爆発がいつ行われるかも分からないので大変だ。
あっという間に、時刻は午後三時を指した。
この時間、いつもなら一日に何度目かのおやつタイムなのだが…
「何処にある木がいつ爆発するか分からない以上、安全に且つ迅速に発見する事が鍵だ」
「はい」
「平日だが、昼間から花見に来ている一般人もいるだろう。一層の慎重さも必要だな」
緊迫した空気が流れ、誰一人としてお茶を気にする者は居なかった。
他の課や部隊への応援要請は、正之助が手早く済ませている。
「爆処が出動した。急いで向かってくれるそうだが、時間はかかるな」
「台場観光の車が多くて、連日混んでますからね」
「捜査本部からも、何人か向かっている。これより刑事課も含め、人員を二手に分けて木の捜索に当たってくれ」
「了解しました。それじゃ…」
野原は一同を見回した。
隊員達が一斉に椅子から立ち上がる。
「ユニット1は第一夢の森橋、ユニット2は第二をそれぞれ当たる。装備は防護重視」
「了解っ」
「葉月は有明の開発局へ行って、事情聴取。捜査員も同行させろ」
「分かりました」
「俺は並木道が長い方に同行するか。…ユニット1だな」
「隊長も一緒だ。良かったぁ」
「やっぱり、まだオレだけじゃ安心出来ないか…。出来る訳無いよなぁ」
「ち、違うよ勇磨!?」
勇磨が肩を落とす。
雛は手をブンブン振り、慌てて否定した。
新たな相棒を守りたいが故の、安心なのだ。
隊の方針、『隊員も対象も人命優先(いのちだいじに)』が一番身に付いているのは彼女かも知れない。
野原は傍らでのやり取りを聞きながら、この二人は組ませて間違いではなかったと思った。
問題なしと、管制システムへエントリープランを登録していく。
「では、私はここで統括指揮を執ろう」
「お願いします」
「全員、準備出来次第急行するぞ。以上!」
綺麗に揃った敬礼の後、各自は隊員室を飛び出した。
3/5ページ