短編夢
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中王区主催のVRバトル。仕事でライブに行けなかった私は、VRチケットで理鶯のバトルを見る事になった。
たかがVR。されどVR。バーチャルリアリティーというだけあって目の前でラップする理鶯を初めて間近で見れた。
普段は優しい顔をする彼だけれど、本気の戦いはあんなにも真剣な表情をしてたんだって初めて分かった・・・。
だから今日は感想を直接言いたくて理鶯を私の部屋に呼んでいる。快く来てくれた彼はいつもの通り穏やかな顔をしていた。
「VR・・・本当に凄かったわ。貴方ってあんなに力強い気を纏って戦っていたのね・・・。」
「小官もあの映像を見たが、確かによく撮れていた。平面よりも立体だと擬似的に敵を感じれるのはとても良い経験だ。」
「ちょっと、話聞いてる・・・?」
「ああ。聞いているぞ。戦ってる時はあまり気に留めなかったが、中王区の小型ドローンはやはり性能が良い。
あんなに正面で小官の姿を捉えていたとは・・・あの技術は侮れないな・・・。」
敵の事なのに随分と愉しそうに話すのね・・・。というか私の感想より理鶯の中王区技術分析を聞かされているのは何故かしら。
理鶯は本当に真面目だから一度こういう事を語りだすと話題がそれてしまう。軍人だから職業柄というか・・・仕方がないのかも知れないけど。
「・・・とにかく私もあの映像を体験出来て良かったわ。とてもカッコ良かったわよ、理鶯。」
「・・・・うむ、そうか。名無が見ていると分かったならもう少しサービスしても良かったかも知れないな。」
「サービスって・・・?」
「サインだ。予め二人で決めておき、それをドローンに向けて小官がやる。周りにはパフォーマンスの一種になるが本質は我々にしか分からない。」
理鶯はMTCに入ってから変わった事を言い出すようになった気がする。世間から注目されているというのを少しは理解しているようだわ。
それにロマンチックな提案をしてくるのも・・・なんだか理鶯らしいといえばらしいような。私としてはとても嬉しいけれどね。
「それも面白かったかも知れないわね。でも変なサインをしてるって中王区に睨まれるんじゃない?」
「元々中王区は、男である小官達を警戒している。今更だろう。」
「確かにそうね・・・。じゃあ今度のライブ用にサインでも考えておく?」
「そうだな。ライブの時はカメラに。ドローンが飛んでいればそちらに向けてやるとしよう。」
なんだか本来の目的そっちのけでハンドサインの話になってしまった。軍人だから秘密の暗号がきっと好きなんだと思う。
理鶯がこうして楽しそうにしているの・・・。隣りで見れるのは私の特権なのでしょうね。
というか、普通の人からしたら理鶯って・・・少し怖いイメージがあるみたいなのよね。無表情で近寄り難いんだとか。
でも私はもう慣れてしまったのかそんな風には思わない。返しきれない程尽くしてくれる理鶯を・・・とても愛情深い人だと思っているから。
このイメージは私だけのもの。私の隣りで貴方が笑うのも・・・私だけが知っているのよね。理鶯・・・。
「・・・では、このサインで決まりだ。」
「ちなみにこれ。意味はなんていうの?」
「_______名無に対する『小官は愛している』という意味だ。」