志々雄真実の苦悩①京都大火の日
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「宗ちゃん、抱きついてもいい?忙しい?」
「大丈夫ですよ、ホノホは甘えん坊さんですね」
「やったー!大好き!」
ここは二人どちらかの部屋ではない。比叡山のアジトでもない。
志々雄が財産の五分の三を注ぎ込んだ煉獄、その上、目の前には国取りを邪魔する者が憚る、非常に重要な場面である。
「…あの二人、新月村でもずっと引っ付いていたでござるな」
「ただの阿呆で間違いないな」
「宗ちゃん、抜刀斉たちがこっち見てる!こわーい」
「きっとホノホが可愛いから見とれてるんですよ、ホノホは僕の物なのに」
「私は宗ちゃんの物だよねー!」
「そうですよ、絶対誰にも渡しません」
目の前で繰り広げられる小劇場に、剣心と斎藤は言葉を失う。
危険視していた宗次郎は、もしかすると裏を返せば隙だらけだったりするのではないか?
そう二人の脳内に疑問がよぎる。
「志々雄、ずいぶんと部下のしつけがなっていないようだな」
「そうだな…それは否定できねェな」
斎藤の挑発にも取れる言葉はグサリ、志々雄の胸に突き刺さった。
予想外の反応に、剣心はおろ、と一つ漏らす。
「宗、ホノホ、恥ずかしいから外ではやるなっていつも言ってんだろ」
「なにか支障あります?」
「親の顔を見てみたい奴らに俺が直々顔を出してるようなもんだからな…」
「志々雄さん、パパ〜?」
「僕たち恋人同士なんで、親が一緒だと変ですよね」
「じゃあ私のパパが安慈さんにする!」
「それなら大丈夫ですね、問題ないです」
「わかるだろ?もう、こいつらが何言ってんのか俺にもサッパリわからねェんだ」
剣心たちは敵ながら、頭を抱える志々雄を不憫に思う。
由美、方治、そして志々雄。
彼らの苦悩はまだまだ続く…。
‐おわり‐