志々雄真実の苦悩①京都大火の日
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「由美ねぇさん、怖かったねぇ…」
「背筋が凍りそうでしたよね」
「あっためて!宗ちゃん!」
朝食を終え部屋に戻るやいなや、再び戯れ合う宗次郎とホノホ。
先程整え終えたばかりの髪や衣服はほろほろと崩れていく。
「じゃあ、順番こですよ?」
「わかってる!」
わざとらしく音を立てながら、身体中の至るところに口づけをし合う二人。
そこにノックもせずガチャリと戸を開けるせっかちな男が一人。
「宗次郎、頼みたいことが、あ、」
「やだー!方治さんのばか、覗かないで」
「はあ。もう、出ていってくださいよ。今いいとこなんですから」
二人のはだけた箇所から覗く肌、その上に赤い印が疎らに膨れ上がり、更にホノホの上に馬乗りになっている宗次郎。
方治は静かに一歩退き、開けたばかりの戸を音も立たせずそっと閉じた。
「悪趣味ですね、方治さん」
「邪魔!雰囲気、ぶち壊しー」
扉の向こうから微かに聞こえる自分への非難の声。
宗次郎に手渡すはずの書類は、グシャッと音を立てしわくちゃになる。
そもそも私は毎日仕事に追われ自由な時間はほぼ皆無
それなのに宗次郎ときたら同じ十本刀であるはずなのにその上志々雄様の側近という実に羨ましい立場にありながら朝からのんびり女遊び
昼も夜も将棋を打ったり昼寝をしたり甘味を食べたり
そんな遊び呆けてばかりの宗次郎に私が追い払われる筋合いなどないはずだ
絶対におかしいこんな理不尽なことまかり通ってなるものか
念仏のような独り言を唱え、怒りに震えた方治はついに、ぐるりと体を反転させると再び、バンッと大きな音を立て宗次郎の部屋の戸を開ける。
「宗次郎!!仕事だ!私は」
「これ以上僕たちの邪魔をするなら殺しますよ、方治さん。言っとくけど本気です」
宗次郎は殺気も闘気も持ち合わせていないはずだ。しかし、今感じた危機感はなんだ。
額に浮かんだ汗を拭い、ついに方治は丸めた書類をその場に投げ捨てた。
覚えていろ、宗次郎…。
被害者はこれで二人目だ。