第三話
夢小説設定
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「志々雄真実、お前一人の正義の為にこれ以上人々の血を流させるわけにはいかぬ!」
志々雄さんと緋村さんの会話をしばらく聞いていて、わかったこと。
緋村さんたちは平和を守る為、必死で志々雄さんを食い止めようとしていること。
志々雄さんは自分の考える"正義"のために、たくさんの人の命を犠牲にしている極悪人だということ。
でも、何故だろう。
「信じれば裏切られる
油断すれば殺される
殺される前に 殺れ」
私は、世の中の平和のため、人々の命を守るため、そんな緋村さんが正しいと思うべきなのに。
「弱肉強食…?」
「志々雄さんが僕に初めて教えてくれた、この世の真実です」
「この世の、真実…?」
ぞわぞわと音を立てて、何かが私の中で蠢いている。
志々雄さんの言葉一つ一つに、胸の奥が締め付けられる。
ーーー
「みんなぁ、この刀で遊ぼうぜ!」
「兄ちゃん、どうしたんだよそれ?」
「父ちゃんの部屋から内緒で持って来たんだ!」
「すげぇー!おい、小雨もやるぞ!」
「え…でも、それ…」
「おい、せっかく仲間に入れてやるってのに口ごたえするのかよ?」
「よし、みんなぁ!小雨を押さえろ!」
「えっ?!」
当時五歳だった私は、両親が亡くなってすぐに預けられた叔母の家の兄弟やその取り巻きたちから、毎日卑劣すぎる虐めを受けていた。
叔母は見て見ぬ振り。叔父は酒乱で、時には暴力を振るわれることもあった。
私は当時、まさに地獄のような毎日を送っていた。
「よしっ!悪者は拙者が成敗してくれる!」
「きゃあぁ!!」
「おい、動くな悪者!」
「へへへ…今度こそ仕留めてやる…」
殺される…
…誰か…助けて……!
「こらァ!俺の刀で何してやがる!」
「わぁっ!父ちゃん…」
「誰だ?!この刀を持ち出したのはァ!」
「…あ、小雨だよ!急にこれで遊ぼうって言い出したんだ!」
「え…?」
「なんだとぉ?小雨…テメェ!もういい加減出て行きやがれェ!誰が育ててやってると思ってやがるコラァ!」
なんの罪も無く追い出された私は、死んだ父と母を、この時初めて心底憎んだ。
けれど、憎んだところで何も変わらない。
どこへ行っても私はただ邪魔者扱いされるだけ。
私は、いつだって独りぼっち。