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おかえりと言わせて(安室夢)


次に目が覚めたのは警察病院のベットの上だった。ああ私は彼に助けられてしまったのね。

圧倒的な男性社会の中で守られる存在であることの悔しさと、守ってくれる人のいる安心感とのジレンマはいつも私を苦しめる。


点滴を外してもらい病院を出ると彼が黙って立っていた。

「ありがとう」と呟くと険しかった彼の顔が少し和らいだように見えた。
そして彼は踵を返して、軽く片手を挙げ、
車の方へと行ってしまった。

私はその背中を見えなくなるまで見つめていた。何となく不吉なものを感じたのだ。


でもきっと私は彼を守ることなんてできない。
それでもいい。何もできなくていい。
だからせめて彼の背中に願う。


「どんなことがあってもちゃんと帰ってきて。
 おかえりと言わせて。」
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