ロクスメ

Ray


朝焼けがカーテンの隙間から差し込まれている。

ベッドの中から光を見つめ、スメラギはロックオンの腕の中でうとうとと微睡みはじめて居た。


「もしも明日、世界が滅ぶとしたら…地球が滅亡するとしたら、どうする?」


唐突に、何の脈絡も無い話を振ってきたロックオンに、スメラギは瞬いた。


「なぁに?突然…」


「…もしも、だよ」


ロックオンはスメラギを後ろから抱き、腕の中に閉じ込めたまま彼女の肩に唇を寄せた。


「もしも…?そうねー…」


スメラギはロックオンの腕の中で宙を仰いだ。


「今頃宇宙への避難勧告が出されてて、軌道エレベーターに乗ってコロニーとかに避難してるんじゃないかしら」


ロックオンは噴き出して、笑った。


「夢が無ぇな~…」


「…滅んじゃうんでしょ?生き残らなきゃ」


「じゃあ、後30分で地球が滅ぶとしたら?」


「どうしても滅びて欲しいのね?」


スメラギのトゲのある言い方に、ロックオンは苦笑する。


「例えばだよ」


「…トレミーに居るマイスターに連絡してすぐにガンダムに迎えに来てもらうわ。トレミーに避難、ってね」


「お、ガンダム呼ぶならデュナメスは?」


「だって貴方、デュナメスはトレミーに置いてきたでしょう?」


「…まぁ、そうだが…」


スメラギは目を閉じ、背中にロックオンの体温を感じながら微笑んだ。


「それで?」


「うん?」


「貴方はどうするの?後30分で滅んじゃうとしたら」


「そーだなぁ…」


ロックオンは、不意に微笑むと、スメラギをぎゅっと抱き締めた。


「ミス・スメラギと、こーしてたい」


「…一緒に滅んじゃうの?」


「バカ、ロマンチックなたとえ話だよ」


「ロマンチックねぇ…」


「好きな女と最期の時まで一緒に居たい、って事だ」


「ふーん?」


「いや、ふーんって…それだけかよ?」


スメラギは身じろいで、腕を緩めたロックオンと向かい合う。

そのまま、ロックオンの胸板に擦り寄る様に額を押し当てる。


「一緒に居るわよ、ずっと」


再び、ロックオンはスメラギを抱き寄せ、その髪に鼻先を埋める。


「愛してる」


世界が滅ぶかもしれない事より、地球が滅ぶかもしれない事より、確かな事。

互いの熱を肌に感じながら、ロックオンとスメラギは目を閉じた。


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