隻翼の天使、迷宮に挑む。
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『うっへえ、壮観だなあ......』
あれから3日、あたしは迷宮 の前に整列する攻略部隊を物陰から眺めていた。
ヴィーゲンリートと喧嘩別れした次の朝には出発したってのに、うっかり軍の攻略部隊と鉢合わせちまうなんて運が悪い。
かと言って、売り言葉に買い言葉で出てきちまった もんだから のこのこと戻るワケにもいかない。
あの日、蔵を出てきた あたしは、久々に自分の寝床に帰った。
廃材とボロ布を組み合わせて作った粗末な寝台の上で整えたのは、最低限の食糧とヴィーゲンリートに貰ったナイフだけ。
初仕事の時、盗品じゃなく わざわざ新品のナイフを、ヴィーゲンリートは あたしに贈ってくれた。
家出のように出てきたのには多少 後悔してるが、アイツのことだから 途中で諦めて帰ってきたりなんてしたら、勘当されるのは確実だ。
ここまで来たなら、意地でも財宝を持って帰らねえと。
そうナイフを握り締めた時、
「こりゃっ!」
『うわっ!?』
背後から喝が入り、怯んだところを ぐいぐいと首根っこ 掴まれて後ろへ引きずられる。
「まったく、あの後 貧民街を探しても どこにもおらんから もしやと思えば、やはり迷宮 に来ておったとは!」
『...何で来たんだよ』
ばつが悪くて そっぽを向けば、ヴィーゲンリートは露骨に深いため息を吐いた。
「...一度 思い立ったら、その一本気で 突っ走るのが お前じゃ。今さら止められるなど思うておらん。
じゃがな、死ぬのだけは許さんぞ」
『悪運だけは強いからな、その心配はねえよ』
「それは わからんぞ?死んだら勘当じゃ、覚えておけよ」
『はいはい』
ナイフを腰布に差し、迷宮 へと向き直る。
攻略部隊は、あたしが目を離していた間に迷宮 の内部へと進んだらしい。
「...無事でおれよ」
『ああ... 行ってくる。』
最後にヴィーゲンリートと和解ができたことに感謝しながら、あたしは七色に輝く聖門に そっと触れた。
あれから3日、あたしは
ヴィーゲンリートと喧嘩別れした次の朝には出発したってのに、うっかり軍の攻略部隊と鉢合わせちまうなんて運が悪い。
かと言って、売り言葉に買い言葉で出てきちまった もんだから のこのこと戻るワケにもいかない。
あの日、蔵を出てきた あたしは、久々に自分の寝床に帰った。
廃材とボロ布を組み合わせて作った粗末な寝台の上で整えたのは、最低限の食糧とヴィーゲンリートに貰ったナイフだけ。
初仕事の時、盗品じゃなく わざわざ新品のナイフを、ヴィーゲンリートは あたしに贈ってくれた。
家出のように出てきたのには多少 後悔してるが、アイツのことだから 途中で諦めて帰ってきたりなんてしたら、勘当されるのは確実だ。
ここまで来たなら、意地でも財宝を持って帰らねえと。
そうナイフを握り締めた時、
「こりゃっ!」
『うわっ!?』
背後から喝が入り、怯んだところを ぐいぐいと首根っこ 掴まれて後ろへ引きずられる。
「まったく、あの後 貧民街を探しても どこにもおらんから もしやと思えば、やはり
『...何で来たんだよ』
ばつが悪くて そっぽを向けば、ヴィーゲンリートは露骨に深いため息を吐いた。
「...一度 思い立ったら、その一本気で 突っ走るのが お前じゃ。今さら止められるなど思うておらん。
じゃがな、死ぬのだけは許さんぞ」
『悪運だけは強いからな、その心配はねえよ』
「それは わからんぞ?死んだら勘当じゃ、覚えておけよ」
『はいはい』
ナイフを腰布に差し、
攻略部隊は、あたしが目を離していた間に
「...無事でおれよ」
『ああ... 行ってくる。』
最後にヴィーゲンリートと和解ができたことに感謝しながら、あたしは七色に輝く聖門に そっと触れた。
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