隻翼の天使、迷宮に挑む。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ゆっくり吸い込んだ煙が じんわりと気管を温め、イライラを鎮めていく。
ふう、と息を吐けば、白煙が蔵の中を満たした。
「シノ、何か ある度に煙草 吸う その癖 直さんか」
『無茶 言うなよ、吸わねーとイライラすんだから』
「それをニコチン依存性と言うんじゃろうが!」
『吸って見るか?なんて言って あたしに煙草 勧めたの誰だよ!?』
...ああ、気に食わない ことが多過ぎる。
この手のイライラは煙草を持ってしても抑えられない ことは知ってるから、カウンターの上で吸いかけ をジュッ!と揉み消した。
『...戦争しか できない貴族 なんて全員 死ねばいいのに』
「そう言うな、シノ」
言葉に なった不満を たしなめたヴィーゲンリートを、キッと睨み上げる。
『誰か から奪わねぇと飯 食えねぇのも、全部貴族たち の せいだろ!?
アンタから右目と誇り 奪って、それで のうのうと生きてる奴らの せいで!!』
ヴィーゲンリートは片目が見えない。
レーム戦で右目を失明して戦えなくなったヴィーゲンリートを、軍は あっさりと切り捨てた。
貧民街ここに いる他の奴ら だって そうだ。皆 昔はパルテビアに忠誠を誓う敬虔な兵士たち だったのに。
体の どこかしら を負傷してからは、役立たずの非国民の烙印を押されて、こんな場所に掃き捨てられちまった。
...不意に、ヴィーゲンリートの大きな掌が、あたしの頭を包んで わしわしと撫でた。
「...そう言ってくれる だけで十分じゃ。 やりたくも ない盗みを強要して すまんの」
『別に...... 貧民街で五体満足なの なんて あたし だけだし』
「シノは... 本当に、天使のようじゃの」
...また それかよ。
あたしは取って付けた ような ため息を一つ吐き、
『あのなあ、天使ってのは神聖な、神様の使い のことを言うんだぜ?
貧民街のドブ臭えクソガキと一緒にしたら罰 当たるぞ』
「いいや、お前は 天使じゃ。 これだけは譲らん」
ヴィーゲンリートは、いつも あたしのこと を天使だと言う。
いくら何でも、天使は買い被り過ぎだと 思うんだけどなぁ......
それでも宣言の通り、あたしが何度 否定しようと、これだけは譲らないんだ。
ふう、と息を吐けば、白煙が蔵の中を満たした。
「シノ、何か ある度に煙草 吸う その癖 直さんか」
『無茶 言うなよ、吸わねーとイライラすんだから』
「それをニコチン依存性と言うんじゃろうが!」
『吸って見るか?なんて言って あたしに煙草 勧めたの誰だよ!?』
...ああ、気に食わない ことが多過ぎる。
この手のイライラは煙草を持ってしても抑えられない ことは知ってるから、カウンターの上で吸いかけ をジュッ!と揉み消した。
『...戦争しか できない
「そう言うな、シノ」
言葉に なった不満を たしなめたヴィーゲンリートを、キッと睨み上げる。
『誰か から奪わねぇと飯 食えねぇのも、全部
アンタから右目と誇り 奪って、それで のうのうと生きてる奴らの せいで!!』
ヴィーゲンリートは片目が見えない。
レーム戦で右目を失明して戦えなくなったヴィーゲンリートを、軍は あっさりと切り捨てた。
貧民街ここに いる他の奴ら だって そうだ。皆 昔はパルテビアに忠誠を誓う敬虔な兵士たち だったのに。
体の どこかしら を負傷してからは、役立たずの非国民の烙印を押されて、こんな場所に掃き捨てられちまった。
...不意に、ヴィーゲンリートの大きな掌が、あたしの頭を包んで わしわしと撫でた。
「...そう言ってくれる だけで十分じゃ。 やりたくも ない盗みを強要して すまんの」
『別に...... 貧民街で五体満足なの なんて あたし だけだし』
「シノは... 本当に、天使のようじゃの」
...また それかよ。
あたしは取って付けた ような ため息を一つ吐き、
『あのなあ、天使ってのは神聖な、神様の使い のことを言うんだぜ?
貧民街のドブ臭えクソガキと一緒にしたら罰 当たるぞ』
「いいや、お前は 天使じゃ。 これだけは譲らん」
ヴィーゲンリートは、いつも あたしのこと を天使だと言う。
いくら何でも、天使は買い被り過ぎだと 思うんだけどなぁ......
それでも宣言の通り、あたしが何度 否定しようと、これだけは譲らないんだ。