隻翼の天使、迷宮に挑む。
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バンッ!という音が響き、枠に観音開きを固定する蝶番が激しく軋んだ。
「シノ! 扉を開ける時は もっとスマートに と言うて おろうが!」
『るせー クソジジイ』
唾を飛ばして怒っていた図体のデカい年寄りは、”クソジジイ”という呼称に あからさまに撃沈し、
「昔は あんなに可愛かったのに...... 今じゃ顔を合わせる度に ジジイ ジジイと呼びおって......!」
そのまま おいおいと年甲斐もなく泣き出した このナイーブなジーサンは、あたしの育ての親。
いい加減 額が禿げ上がって 眉も真っ白なのに、ジジイ呼ばわり すると この様だ。
『はいはい、あたしが悪かったって。 ヴィーゲンリートは まだジジイじゃないから』
その言葉で ようやくヴィーゲンリートの号泣は止まり、
「ふう... 年をとると涙腺の締まりが悪くなって いかんの」
...年寄り だってこと自覚してんじゃ ねぇか!
◇
「...それで? 今日の獲物は どうした」
『へへっ、ひっくり返るなよ?』
そう言い、薄暗い蔵の中でも煌びやか に輝く宝飾品たちをカウンターにゴトリと乗せる。
「ほう、こりゃ確かに なかなかの代物じゃの」
『だろ? これだけ あれば しばらく飯の心配はしなくて済むはず だぜ』
ヴィーゲンリートは しばらく眇で宝飾品を見繕ったり 陽に透かしていたが、
「...じゃが、換金するなら650金貨 が限界かの」
『はぁ!? 前は その量 持ってきたら1000金貨 は割らなかった だろ!?』
予想と違う買値に、椅子を蹴倒す勢いで抗議する。
...が、
「落ち着け、持ってきたのが お前じゃなかったら100金貨 で叩き返しとるわ。
...やはり、レーム戦の後の経済低迷の影響が大きいの」
......よく わかんねーけど、要は不景気ってこと だろう。
『...わかったよ。 アンタが そう言うなら650金貨 我慢してやる』
ドカッと椅子に座り直し、渋々 対価を受け取る。
けど、そんなこと で あたしの むしゃくしゃ腹が引っ込む はずもない。
懐から取り出した紙巻き煙草に、ランプから拝借した火を点けた。
ー・ー・ー・ー・ー・ー
1金貨 =100円くらいの価値だと想像して 頂ければ。
「シノ! 扉を開ける時は もっとスマートに と言うて おろうが!」
『るせー クソジジイ』
唾を飛ばして怒っていた図体のデカい年寄りは、”クソジジイ”という呼称に あからさまに撃沈し、
「昔は あんなに可愛かったのに...... 今じゃ顔を合わせる度に ジジイ ジジイと呼びおって......!」
そのまま おいおいと年甲斐もなく泣き出した このナイーブなジーサンは、あたしの育ての親。
いい加減 額が禿げ上がって 眉も真っ白なのに、ジジイ呼ばわり すると この様だ。
『はいはい、あたしが悪かったって。 ヴィーゲンリートは まだジジイじゃないから』
その言葉で ようやくヴィーゲンリートの号泣は止まり、
「ふう... 年をとると涙腺の締まりが悪くなって いかんの」
...年寄り だってこと自覚してんじゃ ねぇか!
◇
「...それで? 今日の獲物は どうした」
『へへっ、ひっくり返るなよ?』
そう言い、薄暗い蔵の中でも煌びやか に輝く宝飾品たちをカウンターにゴトリと乗せる。
「ほう、こりゃ確かに なかなかの代物じゃの」
『だろ? これだけ あれば しばらく飯の心配はしなくて済むはず だぜ』
ヴィーゲンリートは しばらく眇で宝飾品を見繕ったり 陽に透かしていたが、
「...じゃが、換金するなら650
『はぁ!? 前は その量 持ってきたら1000
予想と違う買値に、椅子を蹴倒す勢いで抗議する。
...が、
「落ち着け、持ってきたのが お前じゃなかったら100
...やはり、レーム戦の後の経済低迷の影響が大きいの」
......よく わかんねーけど、要は不景気ってこと だろう。
『...わかったよ。 アンタが そう言うなら650
ドカッと椅子に座り直し、渋々 対価を受け取る。
けど、そんなこと で あたしの むしゃくしゃ腹が引っ込む はずもない。
懐から取り出した紙巻き煙草に、ランプから拝借した火を点けた。
ー・ー・ー・ー・ー・ー
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