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序章 〜世界観について

この『世界』は、はるか神の世界…仙界により管理された、魂の円環する“舞台”である。

神聖なる領域に再び野望をもって現界した偉大なる魂……転生世界統治者・始皇帝は、未来に浮かび散った魂の集合体…『三国志の英傑』の広大な転生世界の争覇を水晶のような映像越しに眺めていた。
なぜその『世界』を見ているかといえば、近頃争いの中で魂のトラブルが多い『世界線』でもあり、記録者や管理者が“ゲーム”の報酬や転生者の魂を管理する上でのジャッジに悩むことが多いというのが一つで、二つ目はこの世界線に突如溢れた“歴史にない勢力の存在が現れ始めている”からだ。

始皇帝は、白に染まった無機質な空に浮かぶ世界の様子に笑みを作ると、世界のエネルギーを組み込んだ身の丈に余る大きな杖で鏡のように白く濁る床をカツンとひとつ叩く。映像は湯水を注がれた砂糖のように、空気の中にふやりと滲んでとろけていった。


『さあ、始めようではないか。英傑達の、混沌の転生世界を』


■■三国志疫鬼 ■■


【 読む前に】
・このシリーズは『転生世界』の中で『転生』を繰り返し、その中の『三国志世界』で争覇を繰り返しているいわば某キャラメイク無双ゲーの『争覇モード』ような世界観で生きる人々のお話です。
・なぜ『転生世界』かといいますと、もともと作者が未熟な三国志初心者のため勉強の一環として創作・自由度の高い『転生世界』という世界観の形で(勉強しながら)話を書こうと思ったのと、
その三国志派生でできた『名前遊びキャラ(宇襟文則と柳生元讓)』の為の世界とお話を用意してあげたかったからです。
・ですので、『史実』と異なる展開も多くなると思われます。ご了承ください。

【“史実”について】
基本的に、演義の創作や悪意ある解釈の方を適応しないようにしています。推しが推しなので仕方がない。
なお、キャラクターの進行上や“悲劇”として、色々な場面での自己解釈もかなり多いです。演義慣れしてる方もしてない方も、あーそういう意味でとったのね、程度に楽しんでいただければと思います(そもそも設定上王朗が統一されてる時点で察してほしい)


◆用語・世界観資料集◆

【転生世界】
・『三国志世界』が舞台の『パラレルワールド』。世界は『仙界』の始皇帝により管理され、造られている。
・争覇中、歴史の記録ど転生者゙の手助けとして、何人か『記録者』(過去の功績が認められ、仙界から要請を受けた者)や『仙界人』も混じっている。が、仙界人だとしても立場や力の差は人間とあまり変わらない(特殊な力をいくつか持ち合わせているだけ)
・『転生者』の肉体や精神体は“記録”をもとに築かれた情報物体(ヴァーチャル・ヒューマン)の為、一定の“全盛期”を迎えたら以降、肉体的な歳は取らない。しかしそれ以外の生理現象や栄養素、病気、肉体や精神の負担といった“死因”は人と同様であり、不死身ではない。
・覇者によって天下統一が果たされると、世界は人物も地域も総て【後漢末期】までリセットされる。゙歴代覇者゙の記録は仙界人により行われ、まれに元覇者などによって書籍や呪術が次世に代々遺されることもある。

▼『記録者』のルール
基本、今世界の状勢を生ある時まで見守り、『記憶』にまつわる力を使って争覇をサポートする役職。その代わり、『言葉』以外で世界に直接関与すること(例えば、『魂の史跡=史実の記録』を覆すなど私欲目的の進言、能力の使用)は禁じられており、最悪『罪子』にまで落とされてしまう。

▼『監査役』のルール
『前世』の闘いの中で、次世に影響があると思われる事象または疫鬼到来を予感される時などに異例として『前回の記憶』をとくべつ引き継いで争覇をサポートする者。
役職のルールはほぼ『記録者』と同じだが、『前世(因縁・重要人物等)に関わる業でなければ世界に関与できる』ため、行動範囲はそこそこ広い。

【覇者への褒賞】
天下統一を見事果たした者には、徐福から次世での『地位(円満や幸福)』や『力(武器や戦術の記録・実践経験など)』を与えられる。いわゆる『強くてニューゲーム』。
しかし『転生』に関してのルールは他の者と同じ。
あまりに強欲であり、チート(自軍に力が偏るような願い)の場合は叶えられない。

【転生のルール】
転生をする者は覇者と違い何も得ずリセットされるが、唯一の引き継ぎとして『特定の人物との繋がり』や『遺品』といった一部の記憶とアイテムを引き継ぐことができる。しかしこの『一部の記憶』以上を欲することは『罪』とされ、
全ての記憶を欲したり、欲した者を逃がすことで『罰』を受けた者は『名声』と『全ての記憶』=存在証明を奪われる。

“剥奪された者゙は『新規者』と同じ扱いとなるので゙多少名残のある名前(罪の証)゙ど己を構成する本来の人格゙以外は全てがランダム。つまり『三国志世界』以外の場所へと産み落とされてしまうこともある。

【罪子(つみこ)】
『業』を背負い、全てを剥奪された者の俗称。
特徴として転生者特有の『引き継いだ記憶の夢』を見ないことや、『名』が前世にいた者を改変したような名前であることなどがあげられる。

【仙界人と始皇帝】
いわゆる、『管理者』。転生世界のゆく末を見守り、導く者達。
『始皇帝』は世界の創造主であり、監視者。この世界を創り出したのも自らの不老不死を目論んでのことである。
また、漢時代に生きた『仙界人』(徐福や淳于越など)は選ばれた転生者達(記録者)とともに、『歴史の記録者』としてシステムの管理や"魂"の転生をする使命をもつ。

【疫鬼(えっき)】
転生世界の゙疫病゙。精神が弱まった者や復讐心に好んでとり憑き、周囲に霊害(病を流行らせたり、“疫兵”として動物の肉体を操って仕えさせたり)を及ぼす。

“疫兵”は人間にも動かせる程度の『抜け殻』…いわゆるゾンビのような低級のものであるが、疫鬼に気に入られ、“疫将”となった者(肉体は奪われたが、精神は内に生きている者)は“証”として顔や全身に『赤い紋様』が現れると共に肉体を奪われ、精神によっては『魂』をも疫に汚染される(乖離不能)。
こうなった者は『肉体と精神の同調』、『死にながら生かされている』=不死の状態なので転生ができず、討伐されるまで、『永劫』に疫鬼に囚われ続けることとなる。そのため対策として淳于越は肉体を浄化するための『装置』を開発し、『疫鬼』以外の一般でも討伐できるように『討伐兵器』の投入を行った。
(しかしまれに“霊体”の方が疫鬼の力に勝り、能力を取り込んだ上で他の人間に取り憑いてその能力を授けた記録もあるらしい。その場合、疫鬼は『精神体』に取り付いているため、能力を使用するまで紋様が体表に現れない)


【疫鬼の門】
とある場所に祀られている古びた石柱。疫鬼が触れると肉体に巣食った『疫病』がすべて回収され、宿主を『開放』することができる。しかし精神安定などの治癒効果はない為、それによって宿主が無事に還ることができる(精神体が完全に疫鬼を殺す=転生できる)とは限らない。