長編と同じ夢主を想定しています
【おすすめ】短編集
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横に五台並べられたベッドへ、リナリー、純、神田、ラビ、アレンが腰掛けている。大規模な任務で全員が駆り出されたは良いものの思ったより時間がかかって帰る足がなくなった。なんとか取れた宿も大部屋を一つだけ。コムイ・リーという恐ろしきシスコンの顔が思い浮かぶが背に腹は変えられない。一人一つベッドが当たっただけ僥倖というものだ。任務の反省会もそこそこにかのシスコンに対する言い訳を全員で練り上げて武装していく。ああでもないこうでもないと見えている地雷を踏まないように理屈を塗りつける作業は存外楽しく、時間を忘れてもはやただのおしゃべり会へと姿を変えていった。
「…そろそろ寝るぞ」
神田の言葉が鶴の一声となり、部屋の電気が落とされた。純は布団に潜り込み寝ようとして瞼を閉じる。昨晩もほとんど眠れていない。強い睡魔が襲ってくる。それでも怖い夢をみてまた魘されるのではないかと自ら目を開いてしまった。周りからは既に寝息が聞こえている。誤魔化すように寝返りを打つと隣のベッドの神田と目があった。自分から寝るぞと言っておいて未だ起きていたらしい。
(寝ろ)
(わかってる)
(…いつから寝てない)
(…数えてない、少なくとも昨日は駄目だった)
(手、伸ばせ)
口の動きだけで交わす会話。ベッドの距離は手を伸ばせば触れるほどしか無かった。指示に従えば指先が触れる。言わずもがな彼のほうが腕が長い。その分の余裕で指を握られた。数秒そのままで居た後に、何か帯状のものを指の間に絡められる。
(焦がすんじゃねえぞ)
手を話されて腕を戻せばそれが彼の髪紐だとわかった。焦がすな、とは無理やり寝る時に電流で頭を飛ばしていたのがバレているのだろう。確かに、これを持ったまま無理に寝るのは難しい。まったく不器用なやり方だ
が、純はそれが嬉しかった。
(ふふ、おやすみ)
絡められた髪紐を両の手で握り込みそのまま瞼を閉じる。すぐに意識が落ちたのだろう、リナリーに揺られ気付いたときには朝だった。握っていたはずのそれは既に彼の頭上で揺れていた。
「…そろそろ寝るぞ」
神田の言葉が鶴の一声となり、部屋の電気が落とされた。純は布団に潜り込み寝ようとして瞼を閉じる。昨晩もほとんど眠れていない。強い睡魔が襲ってくる。それでも怖い夢をみてまた魘されるのではないかと自ら目を開いてしまった。周りからは既に寝息が聞こえている。誤魔化すように寝返りを打つと隣のベッドの神田と目があった。自分から寝るぞと言っておいて未だ起きていたらしい。
(寝ろ)
(わかってる)
(…いつから寝てない)
(…数えてない、少なくとも昨日は駄目だった)
(手、伸ばせ)
口の動きだけで交わす会話。ベッドの距離は手を伸ばせば触れるほどしか無かった。指示に従えば指先が触れる。言わずもがな彼のほうが腕が長い。その分の余裕で指を握られた。数秒そのままで居た後に、何か帯状のものを指の間に絡められる。
(焦がすんじゃねえぞ)
手を話されて腕を戻せばそれが彼の髪紐だとわかった。焦がすな、とは無理やり寝る時に電流で頭を飛ばしていたのがバレているのだろう。確かに、これを持ったまま無理に寝るのは難しい。まったく不器用なやり方だ
が、純はそれが嬉しかった。
(ふふ、おやすみ)
絡められた髪紐を両の手で握り込みそのまま瞼を閉じる。すぐに意識が落ちたのだろう、リナリーに揺られ気付いたときには朝だった。握っていたはずのそれは既に彼の頭上で揺れていた。