第十一話「月景に名前を呼ばれた日」
[必読]概要、名前変換
・概要「亡霊に名前を呼ばれた日」から約2000年後の物語
ジャンル:転生/やりなおしモノ。神田落ハピエン確定(リナ→神田片思いからのアレリナ着地を含みます)
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神田の珍しい態度で槍が降るというアレンの不吉な予想は、形を変えて現実になった。
南イタリアでおきたアクマの大量発生、その要因は火を見るよりも明らかだった。と、言うよりも要因のほうが火に飛び込んできたようなものだ。
「お早いご到着じゃあないか、エクソシストの諸君」
そこにいたのは何の変哲もない、彼らとおおよそ歳の変わらぬただの少女に見えた。だが、ただの少女は宙に浮かない。ただの少女は、アクマを従えて悪辣に笑いはしないのだ。
その少女は自分が魔女だと名乗る。そしてあろうことか、神田を見ては我が意を得たりと甲高い笑い声を上げるのだ。
「ああ!君! 奇麗な顔の、日本人のエクソシスト!」
ガラスを爪で引っ掻くのに似た、どろりと粘ついて耳の奥にこびりつく甘ったるい響き。
「君が神田ユウ! そうでしょ!?」
「誰だ貴様」
「お姫様は元気? あは、そんなわけ無いか」
「一体何を…!」
「だってあんな身体にされちゃったらねえ? 可哀想に、ずっと君の名前を呼んでたんだよ?」
アレンとラビには確かに神田の堪忍袋の緒が切れる音が聞こえたきがした。六幻を抜き放ち、迸る殺気を抑えようともしていない。
地を這う低い声が鳴る。それと同時に女が従えていたアクマが散り散りになって街を襲いに行った。
「コレは、俺の獲物だ」
怒りを通り越して無感情ですらある響きに二人は頷いて、二手に分かれてアクマの討伐に向かう。こうするしかないのだ。エクソシストである以上、最優先は市民の安全でありアクマの討伐なのだ。
本来であれば魔女と一対一など、分が悪いどころの騒ぎではない。さしもの神田でさえ時間稼ぎがやっとだろうし、時間を稼いだところでどうにかなると言われれば断言なんてできはしない。
街に散らばったアクマの数は、二人で対応するのに骨の折れそうなほどで。
それでもやらねばならない。彼らはそのためにそこにいるのだから。任務の成否など考えている場合ではない。
控えていたファインダーは、状況を本部に伝えられただろうか。せめて伝わっているのならばこの事態を収束できるうちに。どうか。