私はあなたに恋をする
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この人は何なんだろう。いや、何様なのだろう。と、疑問に思うの私がおかしいのか。
それをみんなに聞いたら同じ答えが返ってきた。
「ジェイドだから」
と。
そんなんで私はうむ~と一人バルコニーで悩んでたりする。
「なまえ。まだ考えてるのか?」
「お兄様」
腕を組んで必死に唸りながら考え込む私に声を掛けたのは十五年前に離れ離れになった兄であるガイ兄様。離れ離れと言っても私は当時二歳で、その時はグランコクマにいた。重い病気をこの年にして患い、首都の大きな病院に入院していてホド戦争の難を逃れた。その後、孤児となった私は病気の完治後、孤児院に入れられグランコクマの宮殿でメイドをしていたところで再会した。
「だって……陛下は仕方ないとして、ただの軍人であるあの人が兄様を使用人扱いするなんて」
ガイ兄様はピオニー陛下のご厚意もあって爵位をもらい屋敷ももらい貴族院にも通っている。いくらカーティス家の人間でも今は軍人なんだから弁えなきゃいけないのに。あの人は兄様を小間使いと勘違いしてる。
「まぁ仕方ないさ。使用人歴の方が長いし、ジェイドには世話になってるしな」
「……けど」
あの人、ジェイドさんが噂ほど悪い人じゃないのは知ってる。この宮殿でメイドとして働いてたから何度も目にしてるし、何度も陛下と談話してる所も見てる。陛下を見てればあの人は仕事に対して妥協を許さない。多少残忍なところもあるけど。
「なんだか、わからなくなります」
アクゼリュス崩落から帰還されてから何か前より柔らかくなった気はする。前は人を寄せ付けないような雰囲気を纏ってたのに。
「ジェイドは変わったよ……いや、俺たちみんながな」
この旅を経て色々見直すことが出来た。そんな話を再会した後にいっぱいしてもらった。ホドがなくなってから再会するまでの長い間のこと。ずっと復讐する機会を待ってたことも。
「やれやれ、何を言ってるのですか」
私とガイ兄様の背中から溜息混じりの声がした。盗み聞きなんて失礼よと返してやろうかと思ったけど、兄様が事実だろと笑うのを見て開き掛けた口を閉ざした。こういう場の雰囲気は何故かいつも入れない。