ちいさな日溜まり
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「ごめんね、願うことは出来ないよ」
「何故です?」
その思いはすごく嬉しい。けど私は首を振った。こんな目に遭わなくてもよくなると言うのに何で願わないのかとジェイドはすぐに問う。
「………だって、ジェイドいなくなっちゃうもん。また一人になっちゃうもん」
これが本音。いなくなって欲しくない。出来ることならずっと側にいて欲しい。私が願い事を言わないとジェイドが元の世界に帰れないのは分かってるけど、でも側にいて欲しいの。
「ふふふっ」
私を抱きしめたまま、肩に頭を乗せて笑う。その吐息が肩に掛かってくすぐったい。何で笑うの?私は真剣なのに。離れて欲しくないのに。
「すみません。いえ、どうやら互いに勘違いしているみたいで」
「きゃっ」
クルリと体を回転させられ、正面にはジェイド。上半身の半分が裸だから慌ててシャツを直そうとする手をジェイドが掴んで止める。恥ずかしいから隠したいんだけど。
「今、あなたのなまえの思う願いを言って下さい」
私の…今の…願い事。それは『死んだ両親を生き返られて欲しい』……じゃない。私の今の願い事はーー
「側にいて……離れないで……一人は嫌なの」
こんなのワガママだって分かってる。でも、でもジェイドに側にいて欲しい。離れないで帰らないで。願い事を叶えればジェイドは帰れる。でも私の願いはジェイドに『帰るな』ということ。そんな願い事……叶うわけない。
「やっと言って下さいましたね」
あなたの願い事。優しく微笑み、いつの間にか私は泣いていたらしくジェイドは頬に手を添えて親指で涙を拭う。
「もう一度、言って下さい」
ジェイドには分かってたのかな?どっちでもいいや。
「私の側にずっといて」
「仰せのままに」
流れる涙はいつかは止まる。でも、あなたへの想いは止まらないの。笑顔で願いを言えばジェイドも笑顔で叶えてくれた。頬に手を添えたままジェイドは顔を近づけてきて触れるようなキスを交わす。唇を離したジェイドはこう言った。
あなたは私の傍に一生います、と。
小さな日溜まり
(これからは私が養ってあげますよ)(えっと…お願いします?)