君色組曲
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「…なに人の顔ジロジロ見てんのさ」
その言葉に思わず「へっ?」なんて間抜けな声を出してしまった。言われて意識すれば、さっきまでシンクが支えてくれていた肩に自分の手を置いて、じっとシンクを見つめているではないか。名残惜しそうにその温もりがあった箇所に触れてその人物を見つめてしまうなんて……それじゃあまるで。
「(私がシンクのこと好きみたいじゃない)」
ぼーっと意識がまた離れそうになった。ふっと今、自分が思ったことを口に出してしまったのではないかと思い、慌てて手で口を塞ぐ。そっとシンクに視線を向けると、彼は聞こえていなかったのそれとも私が何も言っていないだけないか「はあー」っと溜息を吐いて手を差し出した。
「………?」
私の前に差し出された手とシンクの顔を見比べると、彼は煮えきらないような業を煮やしたような表情を浮かべた。
「早くしてよね。さっさと行くよ」
待つのは面倒だとばかりに未だ目をパチパチさせる私の腕を取って力任せに立たせられた。
「きゃっ」
勢いのまま体は起き上がったからそのまま前に倒れ込みそうになった。けど少しの衝撃があっただけで痛くはない。衝撃の際に瞑った目を開けると目の前は黒で、視界の端っこに緑色。
「……はい?」
見上げれば、ちょうど視線の先はシンクの口元。ってことは?…………脳内での思考時間は五秒も掛からずとも理解できた。勢いのままぶつかった先はシンクの体。本日二回目のシンクのアップ。
「ーーっ!」
声にならない声を上げて反射的にざざーっと後退り。恥ずかしさで顔は赤くなるし、驚いて心臓はバクバク言ってる。落ち着け!相手はシンクだ!こんな反応したら笑われる………笑われる?ほんとに?そう言えば、さっき。