君色組曲
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「……なまえ!……なまえっ!!」
だれ?わたしをよぶのは?……ああ、イオン。
ならここはてんごくってやつなのかな?
きみにもういちどあえるの?
「なまえっ!」
「……っ!?」
あ、れ?私は……飛び降りたはず。私は叫んだ後あのままフレスベルグから飛び降りたはず。一応譜術を使ってブレーキを掛けたは、ず。いくら勢いを殺しても、怪我くらいしてると思ったのにどこも痛くない。何でだろうと、ゆっくりと視線を上げれば……なんか見てはいけないものを…ううん、見たかったものを見た。
「……シンク……」
「バカじゃないの!?あんところから飛び降りるなんて」
シンクは私を抱きかかえていた。泣きそうな顔で……いつも付けている仮面は取れていて、彼そっくりの顔が、緑の髪が私の瞳に映された。
「……泣いてる」
抱えられたままシンクの頬を手を添えるとシンクはふいっと顔を逸らして「泣いてない!」と怒った。どうやらシンクも私と一緒に飛び降りたらしく、しかも私を庇ってくれたみたいだ。そういう優しさは……そっくりなんだね。
「……死ぬ気だったの?助けない方がよかった?」
「意地悪な言い方だね……死ぬ気はないよ、まだ」
本当に意地悪だ。シンクは知ってるはずだ。イオンの遺言を……導師も然り。二人とも私がイオンの幼なじみだということを知っている。だからイオンの遺言書の中に……"けして自ら命を絶つな"と書かれてあったことを知ってる。てかヴァンが教えている。
「…ふーん」
シンクは私の肩から手を離し、一人先に立ち上がった。座り込んでいる女の子に手を貸して上げようという紳士的態度は見せられないのかな?
でも……なんでだろう。手を離され肩からはシンクの温もりが消えて、寂しいなんて思ってしまった。当たり前のことなのに何で寂しいって思ったんだろう。