君色組曲
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ごめん……任務に、行く」
シンクの手を無理やり剥がし廊下を歩き出す私。ここで何を言っても無駄だ……だったら現地で邪魔してやる。イオン様を拉致される前に助け出す。イオン様を連れ出したのはマルクトの死霊使いだったはず。
「アンタはここで僕と待機だよ」
「やだ…私も暴れたい」
空飛ぶ魔物ーフレスベルグに乗り、眼下を見下ろす私とシンク。ディスト以外の他の六神将はみんか眼下を走るマルクトの軍艦、タルタロスへと降下している。
「ダメだよ」
先程のような低い声音ではない、けどけして怒気が籠もってないわけではない。
「いいじゃん」
「アンタは導師に肩を入れすぎてるからね」
……そんなわけないのに…私がそうしていたのは被験者イオンだけ。確かにイオンは大切な幼なじみで凄く大事で仲も良かった……でも死に目には会えなかった。イオンの意志を尊重したと言われたし。
「私の知ってるイオンはもう死んでて、今のイオン様のことは嫌いなんだよ……私は彼を『イオン』として見てないもん」
どんなに姿形が同じでも、彼は『イオン』じゃない。私の中のイオンは十二才で止まっていて、導師イオンも目の前にいるシンクも元はイオンでも全く違う『人間』だ。
「シンクがどう思っているのかなんて知んない。私は導師をイオンの代わりになんて思いたくもない」
彼が好きだった。幼い頃から一緒で、イオンが預言により導師となってもその関係は壊れることなく、私の両親が亡くなって孤児になってからは私を自分の身の回りの世話と事情を知る者として迎え入れてくれた。
「もう、イオンはいないんだ!」
そうだ。もういない。導師イオンは……もういない。常に一緒にいるようになった彼そっくりな君もイオンじゃない。だから……私は……