君色組曲
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「(……けど)」
イオンとシンクは違う。そして……『導師イオン』もまた違う。それはわかってるし、割り切ってるつもりだ。
「これが今回の任務の内容だよ」
歩きながら、シンクが私に半分に折った紙を手渡した。その中身は、驚愕せざる得なかった。だってその内容は……
「導師イオンの拉致…セフィロトの解呪……ってなんなの…」
「何って、書いてある通りだよ」
手の中の指令書を握り潰す。私は怒りで手が震えてるって言うのに、シンクは当たり前だと言わんばかりに淡々と返した。
「冗談じゃないっ!拉致っても言うのも賛同できなければ、セフィロトの解呪なんてさせたらイオン様は!!」
「そんなの知んないよ。ヴァンの命令だよ?アンタ、自分の立場分かってんの?」
ドンっと壁を殴りつけて怒りを露わにする。今の『導師イオン』が私の知っているイオンじゃなくても、彼もイオン同様に体が弱い。ダアト式封咒なんて使わせたら……そう思って怒鳴りつければ、シンクは仮面の下から睨み付けていた。それは分かる…あれだけ殺気を出していれば。
私の立場……イオンの死後、神託の盾に入団した神託の盾騎士団。しかもあんな恐ろしい計画を発案したヴァンが主席総長を勤める。
「私がここにいるのは!!」
「うるさいよ」
私が神託の盾に入団したのはヴァンの計画を阻止するため……そう思ってそう言おうとしたときシンクが私の胸倉を掴んだ。そのまま壁に打ちつけられ思わず咳き込んだ。
「しん、くっ……」
「アンタ、ウザイよ……何様のつもり?ああ、『導師イオン』の幼なじみだっけ?」
声音を低くするシンク。ここまであからさまに殺気を剥き出しにされたのは彼の補佐になってから初めてだ。忘れてた……シンクは、イオンをヴァンを導師を、私を憎んでいるのを。