君色組曲
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私が十二歳の時……イオンが死んだ。その事は知っていたけど、すごく悲しかった。イオンは自分の死期を知り、一時期すごく荒れて大変だった。けどヴァンとコソコソと何か話すようになってからは少し変わった。元々、愛想笑いしかしなかったけどそれが前より酷くなったというか……目が全く笑ってない。
「イオン、何があったの?」
と幼なじみである私が聞いても「何が?」としか返してくれない。私が異変に気付いてることを知っていてそれでも教えてくれなかった。結局、イオンは死ぬまで自身の口で語ることはなく、私に……たった十二才の私に隠していた事の全てを遺書として綴り残した。
ーーそれから、二年
私はイオンの死後、しばらくして神託の盾に入団した。イオンの幼なじみと言うだけで教会内のイオンの部屋に出入りが許された……いや、先の短いイオンの我が儘か大人たちのせめてもの手向けだったのかもしれない。
「……早くしてくんない?」
今は六神将である烈風のシンクの補佐官である。ヴァンの奴は私がイオンの幼なじみと知っていてシンクの補佐にしたのだ。ムカつくどころかその話を聞いた瞬間殴ってやろうかと思ったけど、その場にはリグレットとモースがいたから止めた。
「分かってる」
ナイフの収められているホルダーを腰のベルトに取り付けて、部屋から出る。部屋から出れば、目の前の壁により掛かったシンクがいた。
「さっさとしてよね。普通は補佐官が上官を迎えにくるもんじゃない?」
人の姿を見てすぐに出るイヤミ。私同様にイオンのレプリカであるシンクは私が彼と幼なじみということを知っている。否…教えられているのだ。ヴァンがわざと教えているんだ。何の企みがあるのか分からないけど……あいつは知ってる。私が彼に弱いことを。