君は空に輝くたった一つの星(後編)
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「おはようござます」
ノックをしても返事がなく、もう一度ノックしても同じだったのでゆっくりと扉を開ける。覗き込むよう中に入るが執務室そには誰もいなかった。
「まだいらっしゃらないのかしら?」
自分にあてがわれた執務机に荷物を置いてピオニーの私室のほうに足を向ける。正直、昨日の今日だから顔を合わせづらいが、そこは仕事だからと自分に言い聞かせる。
「(私がピオニー様を好きでも…ピオニー様には関係ないもの)」
そう。自分がピオニーを好きになるのは勝手。それ以前にピオニーは自分のことはジェイドとネフリーの"妹"で、ピオニーにとってもそれは同じことだとステラは思っていた。
「ピオニー様?起きていらっしゃいますか?」
コンコンと私室の扉を今度はノックする。けど返事はない。どうしようかと悩んだ末に先ほど同様にドアノブを掴みゆっくりと扉を開ける。隙間から覗き込むが姿は見えない。意を決して扉を開けて中に入った瞬間だった。誰かに手を掴まれて引かれたのは。
「きゃっ!?」
無抵抗で手を引かれ体が倒れそうになるが、ぽふっと何かにぶつかった。痛くは無い…でも温かいと思いステラは顔を上げれば、すぐ側にピオニーの顔が近くにあった。
「…ピオニー様?」
一瞬思考が停止してしまったが、相手が誰かを認識して名を呼ぶ。ステラの手を放さなず、空いた手でステラの腰に手を置く。腰に手を置かれたことで驚くのと同時に顔に熱が帯びた。
「どう、したのですか?…あっ、昨日はその、すみませんでした。急に飛び出して…」
何も言わず自分を見つめているピオニーに不安を覚えたが、昨日いきなり部屋を飛び出したことを謝罪する。が、それでもピオニーは何も言わない。