君は空に輝くたった一つの星(後編)
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好きか嫌いかと問われれば当然"好き"の部類…でもジェイドが訊いている"好き"は違う。ただ、一人の男性としてピオニーのことが好きかどうかだ。
「……好き、です」
ぽつりと呟くステラの顔は真っ赤だった。考えたことも無かったから…こんなことを考えたことも無い。兄や姉に負けないようにと一生懸命に勉強して認めてもらう。それが当たり前で、目標となっていて誰かと接することなんてしようとも思わなかった。
「でも、私…どうしたら…」
「ステラはステラのままでいいんですよ。下手に考え込んでも答えなんて出ません。ですから普段通りのありのままのステラでいればいいんですよ」
すがる様な瞳でジェイドを見れば、ジェイドはにっこりと微笑んで言う。「…そうなの?」と子供が親に尋ねる様に首を傾げれば、「ええ」と優しい声で返事をする。
「明日はいつも通り出勤してください。陛下にはあなたは少々体調が悪いから帰らせたと言ってあります」
だから大丈夫だと。突然飛び出してしまったから、明日以降出勤しづらいとステラは思っていた。何も言わずにただ飛び出してしまったからピオニーが怪訝に思っていないか不安だった。もしかしたら仕事も"クビ"になるんではないかと頭にも過ぎった。
「…わかしました。ありがとうございます…兄様」
帰りますと立ち上がる。部屋を出ようとしたとき飲み終えたティーカップを洗い忘れたといえば、そんなのは私がやりますからとやんわりとジェイドは断った。