君は空に輝くたった一つの星(後編)
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「どうしよう…まだ、だいぶあるよね」
ジェイドが定時にあがってもそれでもあと二時間はある。正直、仕事を途中で投げ出してしまったことも心配である。中途半端が嫌いだから尚更、でもジェイドが自分に任せろと言うなら安心なのだが。
「何もしないって苦痛なのね」
誰に言うわけでもなく、しんした部屋の中でステラの声だけが響く。さすが皇帝なだけ仕事の量は多かった。ステラがいなかったらあの執務机の上は大量な書類は溢れかえったままだっただろ資料の整理や作成はどちらかと言えば好きな方。同年代の女の子たちとの会話の方が苦手だ。
「(だからわからないのかな)」
自分が何に悩んでいるのか何が苦しいのか…。その答えは誰が教えてくれるのだろう。
「ただいま戻りました」
リビングの扉が開いて聞こえた声にステラはハッとして目を開く。どうやらソファーに腰掛けたまま眠ってしまっていたらしい。
「お、お帰りなさい」
何を言っていいのか分からず出た言葉はこれだった。普段言い慣れない言葉に恥ずかしさからか、ステラも顔を少し赤らめ、ジェイドも一瞬目を見張ったものの、すぐに笑顔に戻り「ええ、ただいま」と返した。互いに一人での生活が長いせいか戸惑いながらも笑顔を交わす。
「それで、兄様。話って何でしょう?」
二人分の紅茶を入れ、再びソファーに身を沈め、ステラから口を開く。
「まずはあなたは"陛下"のことをどう思いますか?」
いきなりの質問に小さく「えっ?」と目を丸くする。どう思うかなんていきなり訊かれてもと思いつつもこの兄が何の意味もないことは訊いてはこないだろうと視線を一度ジェイドから逸らして考える。