君は空に輝くたった一つの星(後編)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「何かあったからそんな顔をしているのでしょう?」
「えっ?」
溜め息混じりのジェイドの言葉の意味が分からないでいると、頬に手を置かれ親指で目の辺りを触れる。
「何かあったから泣いているのでしょう」
泣いている…泣いていた…それすら分からなかった。言われて初めて目の辺りに濡れた感触があったことに気づく。
「私…泣いていたの?」
言われて初めて気づいたと言えば、ジェイドはもう一度溜め息を吐く。とりあえず宮殿に戻ってから何があったか話すように言うと、ステラはポツリポツリと話し始める。
執務室に戻ったらピオニーは居眠りをしていて、仕事が溜まっているから起こした。名を呼んだくらいでは起きなかったから肩を揺らし起こしたら、いきなり手を掴まれて「ネフリー」と姉と間違えられた…。
「…それがショックと言うか、悲しかったと言うかーー」
「わかりました」
事の経緯を聞いてジェイドの心中は複雑だった。
「(全く、あの人は人の妹ばかりを…まぁ、ステラ自身は気付いてないですが…)」
兄の心中を察していないステラは黙ったままのジェイドに「兄様?」と首を傾げる。
「…ステラ」
「はい」
今は直ぐ仕事に戻るように促しても、ピオニーはともかくステラの方が気にしてしまうだろう。
「今日はもう仕事はいいですから帰りなさい」
「ですが、まだ…」
急ぎの書類が残ってます、と続けた。
「私がやらせます。あと、これを」
軍服のポケットからキーケースを取り出しそれをステラに手渡す。「これは?」と一度キーケースに目を向けて直ぐにジェイドを見上げる。