君は空に輝くたった一つの星(後編)
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ピオニーの執務室を飛び出し、そのまま宮殿から出る。門の前で警備している兵もいきなり飛び出してきたステラに目を丸くする。
なんで?どうして?胸が、痛い…
どうして、心の奥底が痛いのか、どうして悲しいのか、どうして自分は部屋を飛び出したのか分からない。ただあの笑顔は自分に向けられたものではない…それが心に虚無感を与えた。
「ステラ!?」
宮殿前の広場に差し掛かろうとしたときだった、誰かに名を呼ばれ手を捕まれたのは。手を捕まれ、反射的に振り向けばそれはジェイドだった。
「兄…さま…」
呟くように声を発し、手を掴んだ人物を見る。先程とは違う妹の様子に眉間に皺を寄せ、「こちらへ」と人気の少ない処へと場所を移す。
「兄様…どうして、宮殿に?」
書類はさっき自分が預かった…床にバラまいてしまったが…なら、宮殿に何の用なのだろう。
「あなたに渡し忘れた書類がありまして、期限が無いものでしたから」
自身で届けに来たというジェイドにステラはただ「そうですか」と返した。
「あなたこそ何があったのですか?」
けして"何かあったのか"と訊かない。既に何かがあった前提で訊いてくるのはジェイドらしいと思ってしまう。それでも、自分でも何があったと訊かれると正直困ってしまう。逃げした意味が自分自身で分かっていないからだ。
「…何か、というか…」
ただ寝ぼけたピオニーに姉と間違えられただけ…それが何かショックで、悲しかった…何故そう思ったのか自体が分からない。