君は空に輝くたった一つの星(前半)
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「(あの方らしい…変わらないわ)」
口元に手を添えてくすくすと笑う。共に過ごした幼い日々の事はあまり覚えてはいない…でも誰にも手に負えないけど、何処か憎めないあの皇帝は昔と何ら変わりないと思った。
「…あなたも変わりましたね」
「えっ?」
ジェイドの言葉にステラが声を上げて顔をジェイドに向けた。何が?と首を傾げる。
「ここに来てから良く笑うようになりましたね…以前のあなたはまるで昔に私のようでしたから」
「兄様?」
初めて見る兄の、ジェイドの優しい笑みに仕事中だということを忘れて「兄様」と呼んでしまった。いけないとは気付いたが、ジェイドのほうは気にしていないようなので敢えて言い直さなかった。
「良い意味でも悪い意味でもあの方が与える影響力は感心します。あなたは思いませんか、自分が笑うようになったと?」
机に両肘を付き手を組むジェイド。
「そうですね…変わった、変われたと思います」
「変われた、ですか」
「はい。以前の私は今以上に可愛げがなかったですから」
ぺろっと舌を出して笑えば、ジェイドは「十分可愛いですよぅ」とおどけた様に返した。「もう」と怒った素振りは見せるもののこんな風にふざけ合えるのは楽しいと思うステラ。
「では、これをお願いします。提出は一週間後です」
「分かりました。お預かりします」
はははっと笑いながら机の引き出しから書類を取り出し、先程手渡したのと同じくらいの枚数を新たにステラに手渡す。ステラはそれを受け取り「では、失礼します」と言ってジェイドの執務室を後にした。