触れられて始まる、恋物語
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やばっ、割れたカップの上に倒れる、と思ったがいつまで経っても覚悟していた痛みはやって来なかった。
「大丈夫ですか?」
代わりにやってきたのは頭上からの大佐の声。その時ようやく気づいた。倒れそうになった私の体を大佐が支えてくれていたことを。
「だ、大丈夫です!」
慌てて彼から離れようとしたが体に力が入らなかった。ここしばらくの多忙の状態が今に響いたらしい。何とか視界は定まったが立てそうにない、どうしようかと考えていればふっと、体に浮遊感を感じた。
「た、大佐!?」
浮遊感の正体は、大佐が私を横抱きに抱き上げたのだ。そのまま、執務室のソファーに横たえられた。大佐はソファーの前に肩膝をつき、グローブを外して私の額に手を当てる。それは冷たくて気持ちよかった。
「具合が悪いのでしたら言ってください」
「?」
何のことだ?といった顔をすれば、再び溜息が返ってきた。
「…無自覚ですか。きちんと休んでいるのですか?」
そう言う彼の表情は少々怒っているようにも見えた。それはなぜだか分からなかった。
「い、忙しくて、その」
「どれくらい休んでいないのですか?」