君は空に輝くたった一つの星(前半)
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「アイツは本当にどうでもいいと思う人間には言い方はどうあれ"頑張れ"なんて言わないさ」
手にした本をステラに手渡し、にかっと笑う。
その笑顔はステラのは眩しく見えた。こんな風に笑う人が側にいなかったから…ピオニーやサフィールと共にいたのもステラが五歳くらいまで。
――苦手…かも。
内心そう思う。サフィールがピオニーを嫌っていたのはジェイドのことだけではなく、いつでも自信満々で天真爛漫のピオニーに対してコンプレックスであり、憧れだったから。
「…そう、ですね」
手渡された本と胸の前で両手で抱きしめる。
少し照れたように微笑むステラ。そんなステラの笑みにピオニーは釘付けになっていた。それは――彼女にあまりにもそっくりだったから。
「(…何考えてるんだ俺は)」
失礼にもほどがある。初恋の人物であり、彼女の実の姉と姿を重ねてしまうのは。がしがしと罰の悪そうに頭を掻くピオニーに「陛下?」とステラが声を掛ける。
「ん?いや、そう言うことだから気にすんな」
「はい」
表情を悟られようにステラに背を向けて傍から離れる。きっとまだ動揺が表情に現れているはずだ…こんな顔、見せれるわけもない。
「ピオニー陛下」
名を呼ばれ足を止める。気付かれたか?と不安が頭に過ぎる。
「そちらは机ではありません。兄様…いえ、カーティス大佐から明日期限の書類を先程いただきましたよね?」
ピオニーが歩き出した先は自室の扉の方。自室向けて歩き出したのは無意識だったが、そっちの事かと胸中ほっとする。