白銀の世界で奏でよう
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まさかジェイドがそんなことを言ってくれるとは思わなくて、戸惑いから視線を泳がせる。
―――信じられない…信じていいの?ううん、信じたい。
なまえは勢い良くジェイドに向かって本日二度目のダイブをした。さすがのジェイドもこの至近距離からのダイブは避けられず、勢いのままに雪の中に倒れ込んだ。怪我をさせぬように咄嗟になまえの背に手を回し抱きしめる。
「なまえ!何するんですか?危ないですよ」
当のなまえは抱きついたまま離れない。ジェイドが掛けてやったストールははらりと地面に落ちている。
「もう少しだけ…」
「仕方ないですね」
頬を胸に寄せてなまえがそう言うとジェイドは小さな息をついて彼女の頭を撫でる。なまえも「えへへっ」と笑いながら頬を何度もジェイドの胸に摺り寄せる。雪が服に染み込んできて冷たい…と、ジェイドの脳裏に浮かんだけど、そんなことは今はどうでもよかった。ただただ、この少女が笑ってくれるなら。笑っていてくれないと調子が狂う。
「(おかしな話ですね)」
自分に纏わり付いてくるのが鬱陶しいと思っていたのに…少女のなまえの本心を知ってしまった。たったこれだけのことで自分までも変わってしまった。なまえがもし居なくなってしまったら、そう考えたら”寂しい”と思ってしまった。この感情を『恋』というのかは分からない。
でも、今はなまえが必要で傍にいてあげたいと思う。
それに嘘偽りはない…。
なら、それでいいじゃないか。