白銀の世界で奏でよう
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―――そんな過去があったとは…。
ジェイドは悲痛な面持ちを隠すことが出来なかった。常に笑みを絶やさない少女の涙…今まで思っていた彼女への姿像が一変した。明るくてみんなのムードメーカーになり何事にも諦めず、戦う力はなくても仲間を護りたいという思いは誰よりも強かった。ただ、我慢していただけかもしれない。嫌われない為に一生懸命だったのかもしれない。
「大丈夫ですよ」
大きな瞳から溢れ出る涙を拭ってやる。それでもジェイドを見つめるその瞳からは涙は止まらない。
「私はあなたを”要らない”なんて言いません。それともなまえ…あなたが私を”要らない”と言いますか?」
にっこりと微笑んで言うと、なまえは一瞬キョトンとした表情をしたがすぐにぶんぶんと首を横に振った。
「絶対に言いません!!私がジェイドさんを”要らない”なんて絶対に言わないです!!」
「涙…止まりましたね」
なまえが必死に弁明するが如くジェイドの軍服を掴んで否定すると、ジェイドは優しく微笑んで目元に溜まっている涙をもう一度拭ってやる。するとなまえは「へっ!?」と声を上げて、顔を真っ赤にした。
「じじじじジェイドさん?」
そこでようやく我に返ったらしい。初めて見るジェイドの優しい笑顔。溢れ出た涙を大きな手で拭われ…そして。
「…ジェイドさん?」
目を丸くして、自分より頭一個分は大きいジェイドの顔を見上げる。ジェイドは膝を折って、なまえの目線に自分の目線を合わせる。
「ええ、私は言いません。不本意ですが、どうやら今の私にはあなたが必要不可欠のようです」
「で、でも…」