白銀の世界で奏でよう
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「あれから何時間経ってると思ってるんですか?みんな心配してましたよ」
「ご、ごめんなさい」
なまえは立ち上がって頭を下げる。顔を上げたなまえの頬は寒さのせいか赤かった。手袋もグローブもつけていない両手も真っ赤だった。
「それで、何が出来たのですか?」
溜息を吐きつつも少女の叫び声の理由を問う。なまえはニィー笑って自身の背に隠れていたものをジェイドに見せる。そこには七つの雪兎があった。
「これは…」
「一度作ってみたかったんです♪」
これがルークでこっちはアニスでと説明していく。どれがどう違うのかはよく分からなかったが、一つだけ何か違う雪兎がいた。何が違うのかは分からないが、とにかく違うということだけはわかる。
「それはジェイドさんです」
なまえがその雪兎に微笑んで言う。雪兎からなまえに顔を向けると、彼女はいつも見せる無邪気な笑みではなく初めて見せる優しい笑みで微笑んでいた。ジェイドは一瞬その微笑みに見惚れながらもう一度、なまえの視線の先にある雪兎に目をやる。
「――っ」
それは他の雪兎とは違い、目が赤かった。他の六体の雪兎の目は石だが、この雪兎だけは赤かった。
「赤い実が二つだけあったんで、これは絶対ジェイドさんだ!って思ったんです」
先ほどとは変わっていつもの無邪気な笑顔を浮かべる。
「みんな、ジェイドさんの赤い目は怖い言っていうけど、私は大好きですよ。だって、キレイじゃないですか!」
まっすぐに自分を見つめてくる少女から視線を逸らすことが出来なかった。誰もが自分とは好んで目を合わせようとはしない。なのになまえは絶対に目を見て話してくる…自分に限らず誰にでも。