白銀の世界で奏でよう
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「ジェイドさんー!!」
黒い肩まである髪を揺らしながら駆け寄ってくる少女。声を掛けられた主―ジェイドはゆっくりと振り返る。
「どうしたのですか?」
「大好きです!!」
ジェイドは両手を広げて抱きつこうとする少女をひらりと避ける。勢いあまった少女はそのまま、彼の後ろに作られた雪ダルマにダイブした。
「ひどいです…」
雪まみれになった顔を手で擦りながら、立ち上がる。
「なまえ。何度も言ってますが、抱きつかないで下さい」
「ぶー、32回目の告白も失敗…」
溜息をつくジェイドに対して少女―なまえは頬を膨らませて服についた雪を払う。この少女は数ヶ月前に突如、この世界に現れた。なまえで曰く、
「トリップ、ってやつですね♪」
と楽しそうに言った。学生服を身に纏い、チーグルの森に現れた。突然の事に少しは驚いていたがすぐに順応し、今に至っている。
人の死を目の当たりにしたときはさすがにショックを受けていたが、それ以上に回りに気を使い明るく振舞う。その姿は痛々しくも見えたが、人を殺すことに慣れた自分らにはなまえでの存在はどこか救われる気もする。
そして、アクゼリュスの崩落の際は皆が皆、ルークを責めたのに対して彼女だけがルークを励まし信じ続けた。
「はぁ~、よく飽きませんね」
「なんで飽きるんですか?」
二度目の溜息をつくジェイドになまえはきょとんとした表情をする。
なんで、自分なんかを好いてくれるのだろう?
死霊使いと恐れられ、最近では自分がルークとアッシュを苦しめているフォミクリーの発案者だと分かっても彼女の態度は変わらない。