キミと僕との境界線
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「それは違うぞ!」
私の両肩を掴んで全力で否定する日向先輩。逆に必死すぎて説得力がないです。
「す、すみません」
「噂を鵜呑みにするなよ」
あ、先輩もあの噂知ってたんだ。本当にそうだとしても肯定するにしにくいよね。
「それに……俺にだって好きな女の子くらいはいるぞ」
ななななんですと!?それは初耳だ。狛枝先輩じゃないなら……七海先輩?と言うことはどっちにしても私は失恋決定ってやつだね。
「なまえ、どうかしたのか?」
「い、いえ……先輩にも好き人がいたんですね」
声が上擦っちゃってるよ。平静を装うとしたけど私には無理だった。みんなが言うみたいに、かなり仲はいい方だから期待しちゃったりもしてたんだけど、あんな言い方をするって事は私じゃないんだ。
「ああ、いるぞ。目の前に」
そうか目の前にか。ん?目の前?目の前って……どの目の前。少し俯き加減だった顔を持ち上げると日向先輩は私を笑顔で見下ろしていた。
「俺が好きなのはなまえ、お前だよ」
今まで見たこともないような優しい笑顔を向けられる。先輩ってこんな顔も出来るんだ。
「なまえっ!?」
とりあえず夢かもしれない。夢かもしれないから自分の顔を自分で殴る。痛い……うん、痛い。ってことは夢じゃなくて現実?
「いいいいいつからっ!?」
「いつって……結構前からかな。知り合って一ヶ月くらいか?」
最初に手伝ってやってからその後もちょくちょく顔を合わせたりして、一ヶ月後には今みたいだっただろ?っとちょっとだけそっぽを向きながら話し始める先輩。
「ふと気付いたら、俺好きなのかもって思ってな。だからお前を構ってばっかいたんだよ」
そう言う日向先輩の頬は赤かった。夕日のせい、じゃない。私、先輩に告白されてるんだ。
「お前はどうなんだよ?」
私はなんて聞かれるまでもない。なのにコクコクと首を縦に振だけで何も言わないでいると先輩から訝しげな表情で見られる。
「わ、私も…先輩が大好きです!」
きっと私は真っ赤で必死な形相をしていたに違いない。けど日向先輩は嬉しそうに微笑んで、ギュッと抱きしめてくれた。この瞬間、私たちは先輩後輩から彼氏彼女へと線を飛び越えた。
キミと僕の境界線