キミと僕との境界線
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「お前こそこんな所で何してるんだ?」
邪魔者は消えるよ、と笑顔で手を振りながら去っていった狛枝先輩を見送った後、日向先輩が私へと振り返る。
「みんなで喋ってたら先生に捕まっちゃって」
放課後、教室でお喋りしてたら先生に手伝いを頼まれ、じゃんけんで負けた私が今の今まで手伝っていたと説明する。
「前にもそんな事なかったか?」
「き、気のせいです」
よく覚えてるなぁ。と言うか、同じ様なことが何回かあったから仕方ないか。
「もう帰るだけか?」
「はい」
何か先輩ってば質問ばっかり、と言えば悪いかよとぶっきらぼうに返されたので悪くありませんと更に返す。結構こういうやり取りが私は好きでたまらない。
「鞄取ってきたら、昇降口な」
ぽんっと私の頭を叩いて日向先輩は自分の教室の方へと歩いていった。昇降口と言う事は、一緒に帰ろうって事で。あまりの嬉しさに、よしっ!とガッツポーズをしてしまった。
「先輩って狛枝先輩といつも一緒ですよねー」
一部の女子からはそういう目で見られなくもない。狛枝先輩は特にベッタリだから余計に。私は考えたくもないけど。
「あいつは放っておくと何しでかすかわからないからな。それに、悪い奴じゃないしな」
本当に面倒見のいい人だ。でもそんな日向先輩だから狛枝先輩も懐いちゃうんだろうな。
「……羨ましい」
「何か言ったか?」
好きな人とそれだけ一緒にいられたら幸せだよね。というか狛枝先輩、私の気持ちわかっててベッタリしてそう。さっきも自分を邪魔者とか言ってたし。いや、自分を蔑むのはいつもの事か。
「日向先輩って、面倒見いいですよね。問題を起こす同級生とか、うるさい後輩にも優しいですもん」
私に優しくしてくれるのは、私がドジだからだろう。変な所で不運を持っているから。ついつい先輩は見かねちゃうんだろうな。
「別に面倒見がいいからじゃないぞ」
少しムスッとした表情をする日向先輩。何か怒らせるようなことを言ったかな。褒め言葉のつもりだったんだけど。
「えっ……まさか。あの噂は本当なんですか?実は狛枝先輩とって!?」
よく一緒にいるのはそういう関係だから。だとしたら私は男性に負けたのか。告白する前から玉砕って切ない。